「旧課程制」は、平成17年度以前に入学した学生、平成19年度編入学生にのみ適用されるものですので注意してください。

課程,専修,類の相互関係

 
実験・実習
グループ
課 程
応用生命科学課程 生物環境科学課程 生物生産科学課程 地域経済・資源学課程 獣医学課程
一類 応用生物学専修 環境生物学専修
緑地環境学専修
生産生物学専修    
二類 生命工学専修   生命化学専修    
三類 森林生物科学専修 森林環境科学専修 森林資源科学専修    
四類 水圏生命科学専修 水圏環境科学専修 水圏生産科学専修    
五類       比較農業・経済学専修
開発政策・経済学専修
 
六類   地域環境工学専修 生物システム工学専修    
七類   環境共生システム学専修 植物資源プロセス学専修    
八類         獣医学専修
九類   フィールド科学専修    国際開発農学専修  
十類     動物生命システム科学専修    

課程・専修の概要

農学部には応用生命科学課程(応用生物学専修、生命工学専修、森林生命科学専修、水圏生命科学専修)、生物環境科学課程(環境生物学専修、森林環境科学専 修、水圏環境科学専修、地域環境工学専修、環境共生システム学専修、緑地環境学専修)、生物生産科学課程(生産生物学専修、生命化学専修、森林資源科学専 修、水圏生産科学専修、生物システム工学専修、植物資源プロセス学専修、動物生命システム科学専修)、地域経済・資源科学課程(比較農業・経済学専修、開発政策・経済学専修、国際開発農学専修)、獣医学課程(獣医学専修)の5課程21専修と、農場、緑地植物実験所、バイオトロン研究室、小石川樹木 園、演習林、水産実験所、家畜病院、牧場、放射性同位元素施設、農学生命科学図書館等がある。

  • 応用生命科学課程
    本課程では、農学分野における研究の基礎をなす生命科学に関連した教育を行う。分子・細胞から個体・個体群にわたるあらゆるレベルにおいて、形態および機 能の両側面から生命現象を解析できるような能力を養うことを目的としている。研究対象としては、資源植物、有用動物、森林動植物、昆虫、水生動植物、微生 物などの、農学に関係する広い範囲の生物を扱う。本課程には応用生物学専修、生命工学専修、森林生命科学専修、水圏生命科学専修の4専修が所属する。
    • 応用生物学専修
      応用生物学専修は、 食糧生産と環境創造を目的とする生産・環境生物学の基礎となる生命現象の解明をめざしており、農業生産・環境保全に関係する生物の重要な農業形質や機能 を、分子から集団までの様々なレベルで解析している。また、バイオテクノロジーを利用して、高収量や高品質、品種の耐性、新物質生産能などを付与・増強し た有用生物資源の創成に努力している。これらの課題を達成するためには、大学院の生産・環境生物学専攻の各研究室で行われてきた研究が基礎となる。これら の研究室では、長年に渡って様々な農業生物について基礎生物学的解析を行い、その研究成果を農業技術に利用するための応用的研究を積み重ねてきた。現在 は、さらに研究を発展させるために、農業生物の分子細胞生物学的解析、および新形質・新機能を導入した新たな生物の創成を目的とした研究も行っている。本 専修における教育は、主として上記の大学院専攻の教員が行う。各専門分野に関連した講義・実験実習が、弥生キャンパスおよび附属農場を中心に行なわれる。なお、本専修の教育は、生物生産科学課程生産生物学専修および生物環境科学課程緑地環境学専修と密接に関連しており、講義や実験演習に重複する部分がある。
    • 生命工学専修
      生命工学専修では、生命現象を化学的に捉えることを主眼とした教育を行う。対象としては、動物、植物、それらの培養細胞や微生物のみならず、ポスト・ハーベストの食糧・食品、生物の生育環境までも含む。即ち、生物、生物素材、生物成育環境を対象とし、生命科学をより広い視野より勉学できるような条件を整えている。方法論 は化学を主体としているが、現代の生命科学の幅広い理解のためには、生物そのものの理解のための分子生物学や細胞生物学を含めた生物学、物理学的側面の生 物物理学、技術的側面をもつバイオテクノロジーの研究教育が必須であると考え、この面での研究・教育を充実させている。
       本専修から進学できる大学院は主として応用生命化学専攻応用生命工学専攻であり、両専攻に所属する研究室が協力しあって教育体制を立案し、それらの研究室の教員がその教育を実施する責任を負っている。卒業論文実験はこれら両専攻に所属する下記の研究室のいずれか(生物情報工学を除く)に所属して行うことになる(応用動物科学専攻および生物生産工学研究センター所属の研究室も一部選べる)。
       応用生命科学専攻には、生物機能化学大講座の植物分子生理学、生物機能開発化学、生物生産化学大講座の生物有機化学、有機化学、生物制御化学、植物 栄養・肥料学、土壌圏科学、生物化学、食品科学大講座の分析化学、栄養化学、食品生化学、食糧化学、食品工学、寄付講座の食シグナル・生体統御系間相互作 用(明治乳業)の14研究室がある。応用生命工学専攻には、生物分子工学大講座の分子生命工学、分子育種学、生物情報工学、生物機能工学大講座の醗酵学、 酵素学、微生物学、細胞遺伝学、応用微生物学の8研究室がある。この他に関連研究室として、応用動物科学専攻所属の動物細胞制御学、生物生産工学センター所属の生物制御工学、生物構造工学の計3研究室がある。
    • 森林生物科学専修
      本専修では、大学院森林科学専攻の教員による講義が行われ、特に森林生態系のなかで起こっている生命現象に関する講義に重点がおかれている。また、北海道演習林(亜寒帯林)、秩父演習林(温帯林)、千葉演習林(暖帯林)等において、森林科学に関連した野外実習が行われる。
       関連の深い専攻分野としては、森林植物学、森林動物学、造林学の3専攻分野が挙げられる。森林植物学専攻分野では、樹木学、樹病学、樹木と土壌微生 物の共生関係などに関する研究が行われている。森林動物学専攻分野では、森林の昆虫・鳥類・哺乳類の生態学的研究や森林害虫の生物学的防除法に関する研究 などが行われている。造林学専攻分野では、樹木生理学、森林生理生態学、荒廃熱帯林の再生方法の開発などに関する研究が行われている。これらの専攻分野 は、いずれも生物学的な視点から森林生態系の維持機構を考究する学問分野であり、森林の保全・育成に資することを目的としている。
    • 水圏生命科学専修
      水圏生命科学は、水圏に棲む多様な生物の生命現象を、生理学、生化学、有機化学、分子生物学などの視点から明らかにしようとする学問分野である。本専修に関連する大学院水圏生物科学専攻、水圏生命科学大講座および水圏生物工学大講座では、魚類・甲殻類の成熟産卵の内分泌調節機構、魚類の免疫機構、微細藻類や多様な無脊椎動 物由来の生物活性物質、海の生物におけるケミカルコミュニケーション、食品としての魚介類・海藻類の構成成分など、極めて広範な研究が行なわれており、さ まざまな形で社会に貢献している。
       本専修に所属する学生はそうした学問分野の基礎となる水生動物発生学、水生動物生理学、水生生物化学、水圏天然物化学、水生動物栄養学、水生脊椎動 物学、水生無脊椎動物学、水生植物学などの応用生命科学専門科目を中心に据えて、広く生命科学の基礎知識を修得することが望まれる。それとともに、他課程 の水圏関連科目もあわせて履修することにより、水圏生物についての幅広い視野を身につけることも期待される。これらは必修科目である実験や実習を履修する 際の基礎として重要である。なお、養殖場や水産加工場などの水産の現場を体験することにより履修できる水産実習も用意されている。
  • 生物環境科学課程
    本課程では、自然と人間との共存の観点から生物圏に関する環境科学を総合的に教育し、地球の温暖化、生物多様性の減少、砂漠化の進行、酸性雨被害などいわ ゆる地球環境問題の解決、耕地の塩類集積の防止や貧栄養化土壌の改良及び水域の環境浄化等を通しての持続的生物生産基盤の確立、さらには住環境の改善・快 適生活環境の創出など、さまざまな視点から生物・生態学的環境の保全と修復の課題を積極的に担う人材の養成を行う。本課程には環境生物学専修、森林環境科 学専修、水圏環境科学専修、地域環境工学専修、環境共生システム学専修の5専修が所属する。
    • 緑地環境学専修
      現在、様々な環境問題が地球レベルで生じているが、環境悪化をくいとめるだけでなく、良好な地球環境を積極的に作り出していく必要がある。緑地環境学専修では、人間と自然とが共生できる生態環境やアメニティ環境の形成をめざし、地球レベルから地域スケールにまたがる広範囲の環境問題を生物学的、生態学的視点 から解析・評価し、生物による環境の修復・保全・創出技術を探ることを共通の課題としている。これらの課題を達成するため、大学院の生産・環境生物学専攻 の各研究室で行われてきた農業生物学および緑地学の研究成果を活用する。その場合、地球環境問題と地球環境形成、それぞれへの生物学的なアプローチを重要 視している。本専修における教育は、主として上記の大学院専攻の教員が行うが、生産生物学専修ならびに応用生物学専修と密接に関連するため、講義や実習で 重複する部分がある。ただし、弥生キャンパス、附属農場、附属緑地植物実験所を中心に行なわれる実験実習は、本専修独自の緑地学関連の内容が多い。
    • 森林環境科学専修
      本専修では、大学院森林科学専攻の教員による講義が行われ、特に環境科学としての森林科学に関する講義に重点がおかれている。また、北海道演習林(亜寒帯林)、秩父演習林(温帯林)、千葉演習林(暖帯林)等において、森林科学に関連した野外実習が行われる。
       関連の深い専攻分野としては、森林理水及び砂防工学専攻分野、森林風致計画学専攻分野の2専攻分野が挙げられる。森林理水及び砂防工学専攻分野で は、森林水文学、森林・山地の保全に関する研究、破壊された森林の再生や砂漠緑化に関する研究などが行われている。森林風致計画学専攻分野では、自然風景 地から田園、都市を対象とした生活空間の保全や創造のための計画・方法論に関する研究、地域環境に適応した森林景観の計画・設計に関する研究などが行われ ている。これらの専攻分野は、いずれも森林と環境との関りや人間の生活環境としての森林の機能を考究する学問分野である。
    • 水圏環境科学専修
      水圏環境科学は、 地球表面積の70%あまりを占める海洋や河川湖沼域の生物とそれを取り巻く環境との関係を明らかにしていく学問分野である。本専修に関連する大学院水圏生 物科学専攻、水圏生物環境科学大講座では、環境に関連する研究として、海洋生態系の構造と機能の研究、沿岸魚類の生活史と群集構造、浅海沿岸系の物質循環 の研究、貧酸素水塊の消長や青潮の発生機構の研究、植物プランクトンの分類と生態の研究、メタン資化細菌の機能と系統の研究を行っている。
       本専修に所属する学生はそうした学問分野の基礎となる水圏環境科学、水圏生態学、水圏基礎生産学、水生脊椎動物学、水生無脊椎動物学、浮遊生物学、 水生植物学などの生物環境科学専門科学はいうに及ばず、水圏生物科学に関係のある漁業学、水産資源学、水産増養殖学、魚病学(以上生物生産科学専門科 学)、水生動物発生学、水生動物生理学、水生生物化学、水圏天然物化学、水生動物栄養学(以上応用生命科学専門科目)、漁業資源経済学、国際水産開発学 (以上地域経済・資源科学専門科目)を学び、水圏環境科学の基礎知識を修得することが望まれる。これらの科目は必修科目である実験や実習を履修する際の基 礎として重要である。なお、養殖場や水産加工場などの水産の現場を体験させることにより履修できる水産実習も用意されている。
    • 地域環境工学専修
      地域環境工学専修は、水と緑と大地の科学を総合的に駆使し、高度な食糧生産機能、快適で美しい豊かな生活環境、そして多様性に富む生態環境の実現を目的とする、3つの主要な分野からなる。農地環境工学分野は、生産性と快適性を備えた農地・農村整備、水田などの自然浄化機能を生かした流域水質保全、衛星リモートセンシングを用いた地球環境レベルの監視などを担当している。水利環境工学分野は、水環境開発とその影響の将来予測、潅漑・排水・水資源管理、地域における水循環と水・土砂などの物質移動と水質など、地域における水環境と水利用を担当している。環境地水学分野は、土壌の物理的劣化と回復手法、泥炭地の環境保全と物質循環、微生物作用と土壌の物理性、土中の熱・物質同時移動など、環境と土壌に関する分野を担当している。なお、広領域を対象としたグローバルモニタリング、気象ロ ボットやネットワークによる水文現象・土壌水分変化のリアルタイム解析等の情報工学も新たな共通分野となっている。
    • 環境共生システム学専修
      住宅等の居住空間を構成する建築材料や紙および紙製品など人類が文化的な生活を営むためには 「材料・資源」 が必要不可欠である。この様な中で木材を中心とする生物資源は、資源の再生産性と加工・廃棄過程での省エネルギー性、無公害性等から、今後は化石資源に代わって人類生存の基本になるものと考えられている。
       環境共生システム学専修においては、生態系から生物体を取り出し、その組織・構造、更には成分を有用物資に変換し、人間生活に役立たせることに関する教育を行う。すなわち、本専修の学問分野は、生物体利用の生態系へ与える影響を考察するとともに、環境と利用の調和をはかり、生物体の変換と利用のシステムが他材料のそれと比べてはるかに地球環境への負荷が少ないことを実証すること、また生物体を様々な材料や物質に製造加工する応用科学、更にはこれらから造られる住宅、家具、医療、印刷、包装製品など人間生活を支える産業と深い関連性を持つ部分をその内容とする。本専修では、上記したように生物資源の有効利用と地球環境保全の関係を深く理解した上で、生物生産物の材料的基礎教育を行うとともに、それを資材に転換し、更に住宅や紙などの最終用途へ応用する科学技術を扱う。
    • 環境生物学専修
      地球上の人口が急速に増加を続けているのに対し、食料の生産は必ずしもそれに追いついていないため、今まで以上に飢餓が深刻化することが予想されている。しかし、一方では、地球規模で環境間題が悪化しているため、高い品質の食料を多量に生産する必要があることはいうまでもないが、同時に地球環境を保全し、さらに快適な環境を創成するための環境調和型あるいは低投入持続型の農業を進めていかなければならない。その場合、必要なことは農業における食料生産を生 態系の管理という視点から捉え直すことである。すなわち、農業生態系を構成する様々な要素の個別的な解析に止まらず、農業生態系をシステムとして捉えることが大きな課題となっている。この課題を達成するためには、大学院の生産・環境生物学専攻の各研究室で行なわれている研究が必須のものとなる。これらの研究室では長年にわたって、栽培植物や雑草、資源植物、害虫や益虫、病原微生物を含む各種環境微生物など、農業生態系を構成している多くの生物を研究対象として、分類学、形態学、遺伝学、生化学、生理学、病理学、生態学などの基礎生物学的解析をもとに、種の多様性について検討を行なってきた。また同時に、大気や土壌といった無機的要因と生物要因との相互作用や、補助エネルキーの投入なとに代表される人間の係りも視野に入れ、人間が行なう農業という行為をシステムとして総合的に理解することを通じて、農業生態系の持続的で有効な管理を行なうための応用的研究も積み重ねてきた。環境生物学専修における教育は、主として上 記の大学院生産・環境生物学専攻に所属する教員によって行なわれる。講義科目としては上記の各専門分野に関係するものが用意されており、それと平行して、 関連する実験実習や弥生キャンパスの実験室と附属農場を中心に行なわれる。さらに夏期と冬期の休暇中には泊まり込みで、附属農場や農家での実習がある。なお、本専修の教育は、とくに応用生命科学課程の応用生物学専修や、生物環境科学課程の緑地環境学専修と極めて密接に関連するため、講義や実験・実習に重複する部分がある。
    • フィールド科学専修
      フィールド科学専修は、平成17年度から新たに設置される。この専修における教育は、大学院農学生命科学研究科の生圏システム学専攻の教員が主として担当する。生圏システム学専攻は、これまでの人間社会がその発展に伴って生み出してきた環境に関する諸問題、特に、自然環境と人間生活のかかわりに関する問題を解決するために、分野にとらわれない総合的な見地からの研究を通じて、地球環境の総合的なマネージメントを確立しようと設立された専攻である。
      フィールド科学専修では、地球環境における生物多様性の有様や由来、そしてそれらを保全するための具体的な手法について学ぶ。また、景観レベル、個々の生 態系レベル、具体的には森林や沿岸環境、その他のフィールド管理を行なうための基礎的な考え方や手法を学ぶ。4年次の演習や卒論では、自身の設定したフィールドにおける自然の仕組みの解明を通じ、その取り扱いについて議論する力を養うことになる。
  • 生物生産科学課程
    本課程は、生産生物学専修、生命化学専修、森林資源科学専修、水圏生産科学専修、生物システム工学専修、植物資源プロセス学専修、動物生命システム科学専修の7専修で構成され、生物による生産の科学を専攻する学生を養成する。 本課程では、第1次産業である作物生産、家畜家禽生産、水生動植物生産、木材生産に対応するばかりでなく、生産物の科学である食品科学、バイオマス化学、さらには生産物を利用するための農業工学分野を包含する。
    • 生産生物学専修
      現在、日本の食糧自給率は非常に低く、また、世界的にも急速な人口増加や環境悪化によって食糧危機が深刻化しており、食糧増産は地球レベルにおける急務といえる。生産生物学専修では食用作物の生産増大・効率化、品質の向上、ならびに持続的生産を地球的規模でめざすことを共通の課題としている。これらの課題を達成するために、大学院の生産・環境生物学専攻の 各研究室で行なわれている研究が必須のものとなる。そこには有用生物の生産能力の向上を目指す分野、栽培・飼育技術の改良や新作物・新品種の育成を目指す 分野、収量に関係する諸要因の数理的解析法、量的遺伝学、数理系統分類学などを研究する分野、減収や生産物ロスを引き起こす病害虫を研究する分野がある。 本専修における教育は、主として上記の大学院専攻の教員が行う。各専攻分野ごとの講義のほか、関連する実験実習が弥生キャンパスの実験室と附属農場を中心に行われる。さらに、夏期と冬期の休暇中には泊まり込みで附属農場や農家での実習がある。なお、本専修の教育は、とくに応用生命科学課程の応用生物学専修 および生物環境科学課程の緑地環境学専修と極めて密接に関連するため、講義や実験・実習に重複する部分がある。
    • 生命化学専修
      生命化学専修は植物、動物、微生物などが示すさまざまな生命現象について、その現象に関与する物質を化学と生物を主たる方法論として用いて、これらを分子レベルで解明し、さらにその成果を食品科学、発酵学、化学、医薬関連科学、生物生産科学、環境科学などに役立てようとするバイオサイエンスおよびバイオテクノロジーの研究分野と、食糧危機、エネルギー問題、地球環境問題など人類が今後遭遇するであろうさまざまな環境関連専攻分野とに直接必要となる基礎科学の修得を目指している専修である。本専修はこのように、化学と生物学を主要な方法論として、より高度なバイオサイエンス、バイオテクノロジーを指向することによって、人類の福祉に役立てようとする関連科学、研究分野の基礎を履修するように構成されている。
       この専修から進学できる大学院は主として応用生命化学専攻応用生命工学専攻であり、両専攻に所属する研究室が協力しあって教育体制を立案し、それらの研究室の教員がその教育を実施する責任を負っている。卒業論文実験はこれら両専攻に所属する研究室のいずれかに所属して行うことになる(応用動物科学専攻および生物生産工学研究センター所属の研究室も一部選べる)。
       応用生命化学専攻には、生物機能化学大講座の植物分子生理学、生物機能開発化学、生物生産化学大講座の生物有機化学、有機化学、生物制御化学、植物 栄養・肥料学、土壌圏科学、生物化学、食品科学大講座の分析化学、栄養化学、食品生化学、食糧化学、食品工学、寄付講座の食シグナル・生体統御系間相互作 用(明治乳業)の14研究室がある。応用生命工学専攻には、生物分子工学大講座の分子生命工学、分子育種学、生物情報工学、生物機能工学大講座の醗酵学、 酵素学、微生物学、細胞遺伝学、応用微生物学の8研究室がある。この他に関連研究室として、応用動物科学専攻所属の動物細胞制御学、生物生産工学研究センター所属の生物制御工学、生物構造工学の計3研究室がある。
    • 森林資源科学専修
      本専修では、大学院森林科学専攻の教員による講義が行われ、特に森林資源の利用など森林と人間との関りについての講義に重点がおかれている。また、北海道演習林(亜寒帯林)、秩父演習林(温帯林)、千葉演習林(暖帯林)等において、森林科学に関連した野外実習が行われる。
       関連の深い専攻分野としては、森林経理学、森林利用学、林政学の3専攻分野が挙げられる。森林経理学専攻分野では、森林資源量の把握、リモートセン シングによる森林モニタリングなど森林の経営・管理に関する研究が行われている。森林利用学専攻分野では、林道網計画、森林作業、林業機械の開発など森林 資源の管理・収穫に関する研究が行われている。林政学専攻分野では、森林政策、森林文化など森林と人間との関りについて人文社会学的な研究が行われている。これらの専攻分野は、いずれも森林資源の持続可能な利用を目的として、人間が森林をどのように扱うかを考究する学問分野である。
    • 水圏生産科学専修
      水圏生産科学は、人類の生存に必要な水生生物の生産に関する学問分野である。本専修に関連する大学院水圏生物科学専攻、水圏生産環境科学大講座や水圏増養殖学講座では、水産資源学の分野では、東京湾の生物生産に関する研究や魚類の生物資源学的研究、水産増養殖において発生する病気を対象とした魚病学の分野では、病原細菌や寄生虫に関する生態学的、免疫学的研究などを行っている。
       専修に所属する学生はそうした学問分野の基礎となる水産増養殖学、魚病学、漁業学、水産資源学、水生脊椎動物学、水生植物学が中心科目となる。それとともに、他課程の水圏関連科目もできる限り履修して、水圏生物科学に関する幅広い知識と視野を身につけることが望まれる。これらの科目は必修科目である実験や実習を履修する際の基礎として重要である。一方、広く生物生産科学の学問分野から科目を選択することも可能である。なお、養殖場や水産加工場などの水産の現場を体験することにより履修できる水産実習も用意されている。
    • 生物システム工学専修
      生物システム工学専修では、次のような社会的要請に立って、生物生産にかかわる多様な研究と教育を行っている。近年、生物の生産・利用と環境保全の節度ある均衡と調和を維持・促 進することが人間の健全な生存に欠かせない課題としてクローズアップされてきている。本専修には3つの研究分野があり以下のような分野を対象にした研究が行われている。
       生物は環境の中で生育し、環境との相互作用を通して物質生産や環境浄化・環境創出などの機能を担っており、この生物と環境の相互作用を解析し、その知見に基づいて、生物の役割を分析したり、生物を取り巻く環境を制御したりする工学が生物環境工学である。その対象として、大は地球規模での生物と環境から、小はバイオリアクター、試験管の中での細胞と環境の関係までを扱う。
       生物資源を活用する生物生産システムにおいて、その手段である機械・装置は生物と人とを結ぶインターフェースとして重要な役割を果たしており、その学理と技術を研究するのが生物機械工学である。植物培養組織ハンドリングロボット、果実収穫ロボットなどの知能ロボットからガントリーシステムまで、生物 を扱うが故の知能化にかかわるソフトおよびハードが研究対象となる。
       多種多様な生物材料が食糧を主体とする生活関連物質としてさまざまの形態で有効利用されており、このための技術を支える生物プロセス工学の発展が重要となってきている。この分野では、生物材料の環境応答反応の解析と制御、食品の理工学的性質と先端加工技術、さらに食糧関連施設の設計や合理化などに関する研究が行われている。
    • 植物資源プロセス学専修
      現在、我々の生活を支える材料の多くは化石資源から得られているが、同資源の過度の使用が環境に対し深刻な影響を及ぼしつつあることが憂慮されていることは周知の通りである。環境に優しい資源、再生可能な資源、すなわち生物資源の開発と導入が強く求められている。
       植物資源プロセス学専修においては、最も主要な生物資源である木材を中心に、海洋資源を含む多様な生物資源の基礎的性状、および生化学的、化学的、化学工学的利用に関わる基礎および応用について教育する。生物資源の最も主要な構成部分であるセルロースは地球上に最も多量に存在する天然有機物資源として知られており、また他の主要成 分であるヘミセルロース、リグニンもそれに次ぐ資源である。これらの有効利用に我々人類の未来が懸かっていると言っても過言ではない。
       本専修では、主として以下の3つの観点から教育を行う。第一は生物資源の持つ多様な生化学的現象の理解と、これを利用した特定物質の生産に関するものである。第二には先に述べた生物資源の主要構成成分の化学構造、物理化学的性状、およびそれらの生物体中における存在形態について理解するとともに、それらの化学的変換利用技術の最先端について学ぶものである。第三には木材を中心とした生物材料を対象とした接着剤の設計と性能分析、接着の機構について理解を深めるとともに、その基礎である高分子材料化学について学ぶことを目的とする。
    • 動物生命システム科学専修
      動物生命科学専修では、野生動物及び一般動物を対象とした生命科学、バイオテクノロジーの教育・研究を行なっている。
       動物生命システム科学専修は、現在、東京大学大学院 農学生命科学研究科 応用動物科学専攻の教員を中心として運営されている。広く動物学に人類の福利に関わる問題を求め、その積極的な解決に貢献することを目標としている。ヒトを含む高等脊椎動物を対象とした動物生命システム科学の分野は、近年、分子レベルから生態系レベルに至るまで、広範に進展してきており、また、生物学的にも極めて高度で複雑なものになっている。本専修では、このような社会の期待や要請に対して、真に、オリジナリテイに富むアプローチが可能となるよう、動物を対象とした新しいバイオテクノロジーの開発、応用に関する先端的研究・教育を進めることを目標にしている。そのために、近来の目覚ましい基礎生物学の成果を基盤とし、ハイテクノロジー化された生命科学の視点から、多様な生命現象のメカニズムを解明することに、研究・教育の重点を置いている。
  • 地域経済・資源科学課程
    本課程は、世界の農業と経済の健全なる発展と人類の豊かな未来の創造に学問的に寄与するための勉学のコースでもあり、広く資源・環境・開発・地域発展などに興味を有する学生諸君のために開かれた教育研究の領域である。本課程は、教養学部において生物学をはじめとする自然科学を学んだ学生や、社会・人文科学を学んだ後に農業経済学や資源科学の基礎理論と応用理論を学ぼう とする学生のために広く開かれており、主として経済分野に興味を持つ学生のために、比較農業・経済学専修と開発政策・経済学専修の2専修が、また技術協力 の分野に興味を持つ学生のために、国際開発農学専修が設けられている。
    • 比較農業・経済学専修
      21世紀を間近に控えた世界の農業と経済は、世界経済と国民経済の相関のレベルにおいては、飢餓と飽食に示される世界的な食糧問題の存在、東西融合およびEC経済統合にみられるような新しい経済政策論理の模索、途上国における農業開発と国民経済の均衡ある発展、地球環境問題と地域資源の再評価などの問題を抱えるとともに、さらに、国民経済と地域経済の相関のレベルにおいては、都市と農村の共生の中での新しい地域経済システムの構築、生態系とのバランスのとれた持続可能な農業発展への取り組み、農業保護のありかたと条件不利地域を中心とする地域経済の保全、などの新たな課題に直面している。このような生きた諸問題を素材にして、経済学、経営学、経済史の基礎理論から農業と経済に係わる応用問題まで広く学んでみたい学生諸君の、大いなる知的好奇心を満たしてくれるところがわが比較農業・経済学専修である。本専修の教育研究の特色をキーワードであらわせば、地域・調査・国際比較の3つである。
    • 開発政策・経済学専修
      経済の発展プロセスにおける農業の役割について、ミクロとマクロの経済学をベースとする筋道だった理解に到達すること、これが本専修の目標である。世界人口の1割が飢餓に苦しむ今日、発展途上国の食糧問題は文字どおり死活の問題である。一方、先進国ではGNPに占める農業のシェアは低下したものの、 健全な農業・農村はGNPでは測ることのできない価値をもたらす存在として、再評価されつつある。現代の食糧・農業問題は生命の問題であると同時に、ウェイ・オブ・ライフの問題でもある。
       研究フロンティアでは、ふたつの問題をめぐって知的格闘が続いている。学生諸君は講義はもとより、演習での討議や卒業論文の作成を通じてそのエッセンスに触れることができる。ひとつは経済成長に対する資源・環境制約の強まりである。いまひとつは農業と経済の発展をめぐる国際的依存関係の深化である。これらの複雑な社会現象を深く分析するために経済学に興味をおぼえ、なおかつ、テキストブックの世界に飽き足らない諸君を歓迎する。
    • 国際開発農学専修
      国際開発農学専修では、砂漠化、熱帯林の破壊、水域汚染、水産資源の枯渇などに悩む国々の研究機関と連絡をとりながら、これら諸国の社会経済状況に合致した生物資源の持続的利用を図るプロジェクトを立案し、また、その実施にあたり生物資源、環境保全、開発経済等の専門家間の調整役として働くことができる人材の養成を目的としている。こうした職務を遂行するためには、耕地、森林、水圏に係わる環境や生物資源についての自然科学的な知識のほか、社会科学の知識が要求されるので、 幅広い視野を持つことができるようにカリキュラムの面でも配慮がなされている。
  • 獣医学課程
    本課程では、哺乳類を主とする各種動物(家畜、実験動物、伴侶動物、野生動物)の機能、形態と、それら動物の病態を比較生物学的観点から教育・研究している。 本課程は、動物の品種改良や遺伝形質の改良、動物の正常時あるいは病態時の生体の形態と機能の変化、病原微生物の病原性・免疫原性、疾病の予防・治療、疾患モデル動物の作出ならびに人畜共通伝染病や食品・環境衛生に関する諸事項を総合的に教育・研究することを目的とした課程で、6年間の学部教育を行っている。
    • 獣医学専修
      獣医学専修には、動物育 種繁殖学、獣医解剖学、獣医生理学、比較病態生理学、獣医薬理学、獣医微生物学、獣医病理学、獣医内科学、獣医外科学、実験動物学、獣医公衆衛生学、獣医 臨床病理学、獣医生化学及び獣医動物行動学の14研究室がある。その他、学生に実地の経験を得させるとともに総合的な実習と研究を行う施設として、附属牧場及びベテリナリーメディカルセンター(附属家畜病院)が設けられている。

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