生態・生物多様性 - キーワード案内 -

フィールド科学専修

フィールド科学専修では、人間活動によって生じた生態系の様々な問題について、その本質を理解し、解決できる人材の育成を目指しています。そのため、水域、森林、農地、都市など多様なフィールドを対象と、生態学の基礎的理論、生物多様性科学、保全生態学、ランドスケープエコロジー、生態遺伝、環境生態学など、幅広い学問分野を総合的に学びます。また、実践的な経験と理解のために、海、森林、里地、自然公園など様々なフィールドに出かけていき、多様な動植物を観察するとともに、生物と環境との関係やそれらの保全について考える野外実習を数多く実施しています。

森林生物科学専修

森林は陸上生態系の中で最も生物多様性に富んでおり、非常に多くの動物、植物、微生物が生息しています。森林生物科学専修では、森林生態系のさまざま生物を対象として生態学的な研究を行っています。具体的には、動植物や微生物の個体群レベルから群集レベルまでを対象とする野外調査や理論研究のほか、分子生物学的方法を用いた分子生態、遺伝的多様性、進化生態、種分化プロセス等の解明に取り組んでいます。講義では、森林生態学、森林植物学、森林動物学、造林学、森林遺伝育種学等の科目の中で、生態学的内容が扱われます。また、学生実習では実際の森林の中で、多くの生物の生態や多様性について学ぶことができます。

水圏生物科学専修

水圏は「水の惑星」と呼ばれる地球最大の生命圏であり、人類は水圏から 様々な恵みを受けています。水圏生物科学専修では、水圏生態系における生物多様性、生物生産過程、生物間の相互作用、生物の環境適応など水圏生態系の構造と機能を理解し、水圏生物および環境を保全しつつ持続的に利用していくための研究を幅広く行っています。課程専門科目では、水圏環境科学、浮遊生物学、海洋生態学、生物海洋学、水生脊椎動物学、水生無脊椎動物学、水生植物学、水産資源学など水圏生物の生態や進化、環境に関する科目を学べます。学生実験では、実際のフィールドにも出かけて水圏の環境測定や水圏生物の分類・形態、生態調査など水圏生物や水圏生態系の理解を深めるための実験を行っています。

緑地環境学専修

私たちの生存と豊かな暮らしを支える「みどり」は、多様な生きものが生息する空間でもあります。しかし現在、人間の活動や開発の強化、人間の働きかけの減少、外来生物による生態系の撹乱、気候変動の影響などによって、生物多様性は危機的な状況にあります。緑地環境学専修では、みどりと生物多様性の関係を理解するための生態学的アプローチを重視しており、ランドスケープエコロジー、保全生態学、植物生態学などの講義科目や、緑地環境実地実習などの実習科目を通じて、「生きものが賑わう」緑地空間の保全と創出を実践するための基礎的能力の習得を目指します。

森林環境資源科学専修

生物多様性の保全や、いわゆる生態系サービスの維持・拡大において、森林はきわめて重要な存在です。日本の森林面積の半分は私有林ですので、所有者の生産活動や生活と、しばしばトレードオフ(あちらを立てればこちらが立たず)の関係にあります。森林環境資源科学専修では、森林生態や生物多様性保全と、木質資源の利用とのバランスを考究しています。森林政策学、森林環境経済学、森林資源経済学、森林経理学、森林評価学等の中で、こうしたバランスについて学ぶことができます。学生実習では、北海道演習林などをフィールドとして、経営体にとってのバランスの取り方を学ぶ機会があります。

生命化学・工学専修

高等動植物から原生生物、菌類、細菌、アーキアにいたる様々な生物は、土壌圏、水圏、生物圏などの種々の環境の中で、寄生や共生なども含む多様な相互作用を形成して生存しています。これらの複雑な“生態系”は環境変動などの攪乱への頑健性と可塑性を併せ持っており、生態系を構成する生物の多様性やそれぞれの機能の総和(言い換えれば生態系の動態)が、農業生産、環境保全、健康保持に関わる様々な現象を決定する重要な役割を果たしています。当専修では、特定の生物の機能の探索にとどまらず、生物や環境(水環境、土壌環境など)の視点から生態系を総合的に捉え、その機能をシステム全体として理解しようとする研究を推進しています。



研究紹介 - 広報誌「弥生」から -

小さなクワガタに見る多様化プロセスと酵母の共生
 ( 関連専修:森林生物科学専修森林環境資源科学専修

弥生58号
  • 森林科学専攻 久保田 耕平 准教授

クワガタムシのようによく知られた虫でも隠蔽種がいくつも見つかっています。 また、キシロース発酵性酵母との密接な共生関係も明らかになりつつあります。 続きはこちら




島の固有種を丸ごと保全する ( 関連専修:フィールド科学専修

弥生58号
  • フィールド研究支援担当 石田 健 准教授

ルリカケスは、20世紀初頭には美麗な青い羽根を婦人の帽子飾りとして輸出するための乱獲、1953年の奄美諸島の本土復帰後は生息地の天然林開発、20世紀末は外来捕食者フイリマングースの脅威にさらされてきました。保護対策が実り一息ついた今、生態系の研究から保全の理想のかたち4 4 4をさらに探求しています。 続きはこちら


増える生物と減る生物の「なぜ」を解く ( 関連専修:フィールド科学専修

弥生55号
  • 生圏システム学専攻 宮下 直 教授

むかし普通だった種が、いつの間にかいなくなる一方で、近ごろ増えすぎて困った問題を引き起こしている生物がいます。こうした増加や減少が起こる仕組みを解き明かすことで、生物の保全や生態系の管理のあり方を提言することができます。 続きはこちら








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