図1 希少放線菌アクチノプラネス・ミズーリエンシスの生活環

希少放線菌アクチノプラネス・ミズーリエンシスは、胞子から発芽し、菌糸を伸ばしていきます。この菌糸は基底菌糸と呼ばれます。基底菌糸は枝分かれすることで、周囲に広がって増殖して いきますが、環境中の栄養が不足すると、胞子形成期に入ります。よく知られているストレプトマイセス属放線菌は空中に向かって菌糸を伸ばしますが、この特殊な菌糸(気中菌糸)においてのみ隔壁形成が起こって胞子が形成されます。一方、アクチノプラネス・ミズーリエンシスでは 気中菌糸の形成は起こらず、短い胞子嚢柄を介して、胞子嚢が基底菌糸上に形成されます。 この胞子嚢の中では数百の胞子が形成され、休眠状態に入ります。湿潤した環境におかれる と、胞子嚢の開裂が起こり、胞子が放出されますが、この胞子は「べん毛」をもっており、直ちに 高速で泳ぎだします。この泳ぐ胞子は遊走子と呼ばれます。遊走子は走化性により、生育に適 した環境に辿り着いたのち、運動を停止し、発芽して菌糸状の生育を開始します。