発表者
篠崎 一雄(理化学研究所 環境資源科学研究センター 機能開発研究グループ グループディレクター)
佐藤   輝(理化学研究所 環境資源科学研究センター 機能開発研究グループ 特別研究員)
高橋 史憲(理化学研究所 環境資源科学研究センター 機能開発研究グループ 研究員)
瀬尾 光範(理化学研究所 環境資源科学研究センター 適応制御研究ユニット ユニットリーダー)
井内   聖(理化学研究所 バイオリソース研究センター 実験植物開発室 専任研究員)
高木    優(埼玉大学大学院 理工学研究科 教授)
高崎 寛則(埼玉大学大学院 理工学研究科 特任助教)
池田 美穂(埼玉大学大学院 理工学研究科 准教授)
鈴木 孝征(中部大学大学院 応用生物学研究科 准教授)
光田 展隆(産業技術総合研究所 生物プロセス研究部門 研究グループ長)
篠崎 和子(東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 教授)

発表概要

理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター機能開発研究グループの佐藤輝特別研究員、篠崎一雄グループディレクター、バイオリソース研究センター実験植物開発室の井内聖専任研究員、埼玉大学大学院理工学研究科の高崎寛則特任助教、高木優教授、東京大学大学院農学生命科学研究科の篠崎和子教授らの共同研究グループは、乾燥ストレス応答に必要な植物ホルモンのアブシジン酸(ABA)の合成を制御する転写因子「NGA1」を発見しました。  
本研究成果は、乾燥ストレス条件下における植物の初期応答の分子メカニズムを明らかにする研究の足掛かりになるとともに、乾燥ストレス耐性が向上した植物の作出につながると期待できます。

植物の乾燥ストレス応答を制御する植物ホルモンABAが合成されるためには、ABA合成酵素の鍵遺伝子NCED3の転写が活性化される必要があります。今回、共同研究グループは、シロイヌナズナが乾燥ストレス条件下において、転写因子NGA1がこのNCED3遺伝子を直接活性化することで、ABA合成を促進させていることを発見しました。
本研究成果は、国際科学雑誌『Proceedings of the National Academy of Sciences』オンライン版(11月5日付け:日本時間11月6日)に掲載されます。

詳細はプレスリリースをご覧下さい。

発表雑誌

雑誌名
Proceedings of the National Academy of Sciences
論文タイトル
Arabidopsis thaliana NGATHA1 transcription factor induces ABA biosynthesis by activating NCED3 gene during dehydration stress
著者
:Hikaru Sato, Hironori Takasaki, Fuminori Takahashi, Takamasa Suzuki, Satoshi Iuchi, Nobutaka Mitsuda, Masaru Ohme-Takagi, Miho Ikeda, Mitsunori Seo, Kazuko Yamaguchi-Shinozaki and Kazuo Shinozaki
DOI番号
:10.1073/pnas.1811491115
論文URL
http://www.pnas.org/content/early/2018/11/02/1811491115

問い合わせ先

東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻 植物分子生理学研究室
教授 篠崎 和子(しのざき かずこ)
Tel:03-5841-8137
Fax:03-5841-8009
E-mail:akys<アット>mail.ecc.u-tokyo.ac.jp  <アット>を@に変えてください。