2008年10月6日

附属農場における水銀剤使用について 

農学生命科学研究科長

  すでにテレビ・新聞の報道でご承知の向きも多いことと存じますが、今般、大学院農学生命科学研究科附属農場において、農薬としての登録が失効し、現在は使用できない水銀剤が使われた事実が明らかになりました。食の安全の確保は本研究科の基本的なミッションの一つであるだけに、また、教育研究の安全管理の問題についても、研究科として最も重要なテーマとして取り組んできただけに、今回の事態はまことに残念でなりません。さらに、地域社会から長年にわたって附属農場に寄せられていた信頼を裏切る結果となったことについても、きわめて深刻に受け止めております。ここに深くお詫びを申し上げる次第であります。
  今回明るみに出た事態については、さらに調査を継続し、事実の把握に全力をあげてまいる所存であります。とくに、不適切な農薬使用の有無の再確認、生産物や土壌・水質の検査など、健康や環境への影響に関する調査を徹底的に行うよう、研究科の関係者に指示を与えております。また、調査については、東京大学本部との密接な連携のもとで、関係各位のご指導とご協力を得ながら進めてまいる所存であります。
  先般、本郷キャンパスにおける記者会見と附属農場における2回の住民説明会が行われましたが、今後も、明らかになった事実については公表してまいります。地域の皆様に対する情報の提供についても、必要に応じてさらに機会を設けてまいりたいと考えております。
  今後は、調査を踏まえて、一刻も早く社会の信頼を回復し、研究科の教育研究の使命を全うすることができるよう、再発防止の取組に全力をあげてまいります。以上、十分に意を尽くすことができませんが、今回の事態について心からお詫びを申し上げるとともに、今後の取組について決意を述べさせていただきました。