受賞式のパンフレット表紙
パンフレット中の受賞理由等の記載
受賞メダルおよび盾
受賞メダル

当研究科生物材料科学専攻 磯貝 明 教授が、アメリカ化学会のAnselme Payen賞を受賞しました。

◆受賞理由
各種多糖のTEMPO触媒酸化反応に着手し、再生セルロースから水溶性のホモポリマーであるセロウロン酸(β-1,4-ポリグルクロン酸ナトリウム塩)の調製に成功しました。さらに、天然セルロースのTEMPO触媒酸化反応により、ナノ分散化に要する消費電力を低減し、効率的にセルロースナノファイバーを調製する方法を見出しました。得られたTEMPO酸化セルロースナノファイバーは、3nmと超極細均一幅であるのが特徴です。本TEMPO酸化セルロースナノファイバーの研究は、日本はもとより、西欧、北米、中国などに広がっており、関連する基礎および実用化研究が世界レベルで進んでいます。

アメリカ化学会Cellulose & Renewable Materials Divisionのホームページ
http://cell.sites.acs.org/

Anselme Payen氏:フランス人の著名な化学者で、植物から初めて繊維状多糖を単離し、分子式がC6H10O5であることを1838年に論文公表しました。それ以降この繊維状多糖に対して「セルロース」という学術用語が用いられるようになりました。

Anselme Payen賞:アメリカ化学会のCellulose & Renewable Materials Division(セルロースおよび再生可能材料部門)が、セルロースおよび関連バイオポリマーの科学および化学技術分野で著しい貢献があった研究者に対して授与するもので、1962年より毎年1名が選ばれています。