生物材料科学専攻鮫島正浩教授が、2月28日に学士会館で開催された一般社団法人日本エネルギー学会第92回定時総会において、平成28年度日本エネルギー学会賞(学術部門)を受賞しました。
鮫島教授は、長年にわたってセルロースを豊富に含む植物由来のバイオマスからバイオ燃料を生産するための重要なステップである「酵素糖化」に関する研究に取り組み、その中で超臨界アンモニア処理によってセルロースの結晶構造を改変することが酵素による分解に極めて有効であることを発見し、酵素糖化のためのバイオマス前処理技術として特許を取得しました。また、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)事業「バイオエタノール革新技術研究組合」の設立と運営に貢献し、ベンチプラント規模で実証研究を推進、より温和な条件下でのアンモニア処理が同様の結果を示し、エネルギーバランスと経済性に優れていることを実証しました。担子菌(きのこ)由来の糖化酵素のライブラリー作成にも着手し、それらの組み合わせで効率の良い酵素糖化を達成しました。今回の受賞は、鮫島教授のこれらの学術的貢献に対して表彰されたものです。
受賞タイトル
「燃料用エタノール生産等を目的としたセルロース系バイオマスの高効率的な糖化に向けた酵素利用技術への貢献」
一般財団法人 日本エネルギー学会HP http://www.jie.or.jp/