東京大学 大学院 農学生命科学研究科・農学部 広報誌『弥生』Vol.76 (Spring 2023)
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Yayoi 76EVENTS REPORTJuneJuly春のガイドツアー「しおじの会と東大秩父演習林を歩こう」公開講座「東大の森林で昆虫採集」千葉県立中央博物館との連携イベント「夏の山の昆虫」千葉演習林では千葉県立中央博物館との間で、調査研究活動・資料収集・展示などを共同で行う協定を結んでいます。今回はその一環として第1回目の連携イベント「夏の山の昆虫」を2022年7月23日〜24日に千葉演習林で開催しました。コロナ禍の影響で定員を制限して募集を行った結果、8家族22名の親子が参加してくれました。当日は天候に恵まれ、日中の観察では樹液に集まるミヤマクワガタやアオカナブンを発見し、夜のライトトラップではカブトムシやコクワガタなど沢山の昆虫が飛来する様子を観察でき、子供たちは大興奮でした。その影響もあってかライトトラップ終了後も近くの街灯を見て回っているご家族が見受けられるなど熱心さが伝わってきました。2022年7月28日の早朝、富士癒しの森研究所(山梨県山中湖村)の森の中で、「癒しの森の朝もや音楽会」が開催されました。コロナ禍を機に始まった森の中での音楽会ですが、観客だけでなく奏者からも好評で、これが3回目の開催となります。徐々に日差しが高くなっていく森の中に、NHK交響楽団の弦楽器トリオが奏でる美しい音色が溶け込んでいきました。ステージは演習林内の講義室に併設されたオープンテラスで、客席はそれを囲む森の中です。観客は折りたたみ椅子や敷物を持ち寄り、思い思いの場所に席をかまえます。散歩をしながらでも、朝食ピクニックをしながら、愛犬とくつろぎながら、など皆さん自由な聞き方で森の音楽会を楽しんでいました。10イベントリポート秩父演習林では、ガイドツアー「しおじの会と東大秩父演習林を歩こう」を、2022年6月11日に開催しました。ガイドは秩父演習林のボランティア組織「しおじの会」から11名で対応し、18名の参加者を迎えにぎやかな観察会になりました。秩父市内のみならず、東京都や神奈川県からの参加者もいて、関心の高さがうかがえました。この時期は梅雨のさ中なので、毎回、天候が気になりますが、雨に降られず、気持ちの良い森林浴を楽しむことができました。開花中の花はあまりありませんでしたが、地上に落ちた花や果実などを観察しました。秩父演習林では、2022年7月22日に、今回も埼玉昆虫談話会から講師をお招きし、秩父演習林のボランティア組織「しおじの会」のサポートのもと公開講座「東大の森林で昆虫採集」を開催しました。コロナ禍のため今年も定員を減らし、日帰りでの開催となりました。午前中、秩父演習林大血川管内の東谷林道沿いで昆虫を採集し、昼食後に秩父事務所に戻って標本を作製しました。当日の朝まで雨が降り、気温が低かったこともあり、大型の昆虫はあまり採れませんでしたが、自分で採集した昆虫で標本を作ることができ、参加者からは「来年も参加したい」、「貴重な体験ができた」など多くの感想をいただきました。千葉演習林では、2022年8月1日〜3日に高校生対象のサマースクール「高校生のための森と海のゼミナール〜大学の先生と考える環境問題と生物多様性〜」を行いました。このゼミは、千葉演習林と近隣にある千葉大学海洋バイオシステム研究センターとの共催で、2つの研究フィールドを舞台に森と海のフィールドワークを体験してもらいます。今年は3年ぶりに2泊3日のプログラムで開催し、千葉県内の高校生6名が参加してくれました。森林の見学や昆虫・哺乳類の生息調査の体験、磯の生き物の観察などを行い、参加した皆さんはなかなか経験できない体験ができて楽しかったと喜んでくれました。JulyJulyAugust癒しの森の朝もや音楽会高校生のための森と海のゼミナール

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