東京大学 大学院 農学生命科学研究科・農学部 広報誌『弥生』Vol.76 (Spring 2023)
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郭■■威■東京大学大学院農学生命科学研究科長・農学部長堤 伸浩 農学生命科学研究科・農学部には、さまざまな対象の研究に独自の切り口で取り組んでいる多くの研究者や学生がいます。対象とする専門分野が多岐にわたると同時に、自身の研究に集中するあまり、構成員が相互の活動を知る機会はこれまであまりありませんでした。 地球的課題の解決を迫られている現在、私たち農学に携わる人々に対する期待は高まっています。地域創生やグリーントランスフォーメーションは、ひとつの専門分野のイノベーションによって解決できるような課題ではありません。今こそ多様なバックグラウンドを持つ私たちの得意分野を持ち寄り、協働して課題解決に貢献すべき時だと思います。 社会的課題の解決は、アカデミア内の協働だけでは達成できないでしょう。行政や生活者、企業、NPOなど社会のさまざまなステークホルダーと積極的に協働することによって、新たな視点が見いだされることが期待されます。参加する人々の相互理解と信頼によって協働の成果は生まれます。新型コロナウイルス感染症による混乱は、落ち着きを見せ始めたようです。さぁ、いつもの居場所を飛び出して、多様なバックグラウンドを持つ人々と課題解決に向けた語り合いを始めましょう。附属生態調和農学機構准教授Yayoi HighlightSupporting agricultural production with human eye augmentationFrom the Dean’s Office2 農作物観察は栽培管理の基本です。私たちは工学・情報科学と農学・植物科学を融合して、作物を見る人の目を拡張し凌駕することで作物育種や栽培管理技術にイノベーションを起こすための研究をしています。協働する拡張する目農業生産

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