発行日 令和6年3月31日 企画編集:東京大学 大学院農学生命科学研究科広報室(岩田洋佳・■口洋平・永田宏次・福田良一・関澤信一・秋山拓也・中西もも・井出留美・山吹尚弘・村上淳一・岸俊輔・和田麻沙)〒113-8657 東京都文京区弥生1-1-1 TEL : 03-5841-8179 FAX : 03-5841-5028 E-mail:koho.a@gs.mail.u-tokyo.ac.jp デザイン:梅田敏典デザイン事務所 表紙撮影:平賀正明 撮影場所:附属水産実験所 取材編集:米谷紳之介有効な活用術を志向するにとどまらず、私たちに恵みを与えてくれる自然や生物そのものを「いきいきとした状態にする」こともまた、農学に求められる〈活かす〉の範疇であるでしょう。新設された社会連携リエゾンオフィスを窓口に、そのような研究成果の活用事例も生まれてくることを期待しています。さて、表紙の写真は附属水産実験所で撮影されたトラフグです。美味な高級食用魚として知られるトラフグですが、うつくしい流線形の体とあいらしい口元にもご注目。ぜひ愛でてください。広報室員 中西 ももYayoi 78EVENTS REPORTイベントリポートOctoberOctoberNovember東京大学農学部公開セミナー特別企画「ハチ公学〜ハチから広がる学の世界〜」Novemberミネソタ大学−東京大学 微生物科学イノベーションシンポジウム編集後記〈活かす〉の意味としては、活用という言葉に表されるように「有効につかう」ということがまず思い浮かびます。人類の生存や生活のために自然資源をどう活かすかは農学の根幹にあると言えますが、本号では、ゲノムや鮮度といった生物の情報をもとにした、水産業での活用が期待される研究が紹介されています。一方で、辞書で「活かす」は「生かす」とあわせて記され、生命を保ち生きながらえさせるという意味を読み取ることもできます。多様な寿命をしめす魚類から、生物の命の長さを決める仕組みを探る試みもまさに、海の恵みが活かされる研究です。そして今、人間の暮らしにとってNovemberSpring2024112023年10月4日(水)15時から農学部3号館大会議室において、「社会連携リエゾンオフィス・キックオフ・シンポジウム―農学生命科学分野の社会実装に向けて」を開催しました。社会連携リエゾンオフィスは、人類社会が現在直面する地球規模の課題解決に対し、これまでになく農学生命科学への注目と期待が高まっており、その期待に応えるべく新産業創出のための産学連携と知的財産管理サポート体制の強化、国際的なステータスの向上、大学院教育および双方型リカレント教育の更なる発展と充実、本学の学生のみならず高校生などの次世代に対する情報発信など、本研究科内外のステークホルダー等に対して、目的達成のための総合窓口的な機能を果たす事を目的に、農学生命科学研究科に10月1日に設置されました。その設置に関して、本研究科内外のステークホルダー等に対して、広く周知すると共に、この機を利用して、本研究科の若手研究者の最新の研究動向を周知し、今後より多くの企業や団体等と連携を深める場として実施されました。2023年10月21日(土)に第65回東京大学農学部公開セミナーがオンラインと現地とのハイブリッ2023年11月4日(土)にハチ公生誕100周年を記念して東京大学農学部公開セミナー特別企画として「ハチ公学〜ハチから広がる学の世界〜」がオンラインと現地とのハイブリッドにて開催されました。「ハチ公は本当に忠犬だったのか?」という講演から始まり、哲学、獣医学、行動遺伝学、自然人類学といった多角的な視点から上野教授とハチ公の物語を捉える学際的なセミナーとなりました。2023年11月8日(水)〜10日(金)に、微生物科学イノベーション連携研究機構主催の「ミネソタ大ドにて開催されました。今回のセミナーは「GXってなんだろう」というテーマで、ネイチャーポジティブの概要や、脱炭素に向けたバイオミネラリゼーション研究の講演、北海道演習林を舞台にしたGXの具体的な取り組みの講演が、それぞれ所属教員から行われました。学−東京大学 微生物科学イノベーションシンポジウム」が行われました。本シンポジウムでは1日目に合同シンポジウムを中島ホールにおいて開催しました。2日目には、ミネソタ大学の研究者が東京大学の研究者・研究室を個別訪問するface-to-face visitを実施しました。3日目には、エクスカーションとして国立遺伝学研究所、キリンディスティラリー富士御殿場蒸留所を見学しました。3日間のシンポジウムにより、微生物科学とバイオテクノロジー研究の国際的相乗効果による大躍進につながる機会が得られました。演習林ではGXの取り組みの一環として、演習林産の木材をキャンパス内の建物の内装、机、椅子などとして利用する取り組みを進めています。この取り組みの1つとして、硬式野球部に北海道演習林産材バットの寄贈を打診したところ、部員の方から試しに使ってみたいとの回答があり、バットの作製に着手しました。自社でバットを製作されていた北海道■別市にある道央ランバー(株)さんに北海道演習林で生産したウダイカンバとダケカンバの丸太からバット用の角材に製材していただいた後、様々な工程を経て、およそ半年かけてウダイカンバ3本、ダケカンバ2本のバットが出来上がり、2023年11月14日(火)に青空の下で硬式野球部に贈呈しました。なお、道央ランバー(株)さんのご厚意で提供していただいた、北海道産材アサダのノック用バット1本も併せて贈呈しました。東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部Webサイトwww.a.u-tokyo.ac.jp社会連携リエゾンオフィス・キックオフ・シンポジウム第65回東京大学農学部公開セミナー北海道演習林産材で作られたバットを硬式野球部に寄贈しました78
元のページ ../index.html#11