6詳しくは、東京大学 大学院農学生命科学研究科 生物・環境工学専攻https://www.bt.a.u-tokyo.ac.jp農業の省力化に貢献したい食糧難や飢餓を解決するチャンスがある限りチャレンジする農業は日本の強み農学でもノーベル賞は取れる一人でも多くの人を救いたいInterviewsあなたはいま、何をしていますか?農学はいま、持続可能な社会の実現に欠かせない実践学となっています。ここではインタビューを通じて、農学生命科学研究科に学ぶ現役学生と、弥生キャンパスを巣立った先輩たちのいまをご紹介していきます。光環境を制御することで農業も変わるのではないかと考えています。農業は日本の強みです。糖度の高さや美味しさなど、品質において海外の農作物とは比較になりません。これからも日本の農業の省力化に貢献していきたいと思います。大学に入学した頃は漠然と工学部への進学を考えていました。農学部に進んだのは2年の進路選択の前に植物工場と野外の農地の比較をした授業が非常に面白く、興味をかきたてられたからです。その後、「緑の革命」を成功させたノーマン・ボーローグのことも本で知り、農学でもノーベル賞を取れるんだと思いました。現在は、植物の遺伝子組み換えによりワクチンや抗体といったバイオ医薬品の原材料となるタンパク質の生産に関する研究をしています。もう少し具体的に言うと、植物工場などで栽培している過程で、あるタイミングで遺伝子の組換えを行うのですが、そのとき植物が大きいほど有用タンパク質も多く生産できるのではないかという仮説があります。その実証と原因の解明のために光や温度などの環境を調節する実験をしています。将来的には民間の医薬品メーカーなどに進んで研究を続け、一人でも多くの人を救える仕事に就きたいと考えています。祖父母が農業に従事していたため、小学生の頃から農作業の手伝いをする機会がありました。そのときに実感したのが作業負担の大きさです。暑い夏も朝から晩まで仕事しなければいけないし、時間的にも肉体的にも大変な仕事でした。子どもながら、どうしたら負担を軽減できるだろうと考えたものです。そんな原体験が蘇ったのが、大学2年の進学選択のとき。農学部を調べているうちに、現在所属している研究室の過去の研究を知りました。植物の3Dモデルから植物の構造的特徴を抽出するという研究を知り、農業生産の効率化にも活かせるのではないかと考えたのです。現在は植物の3Dモデルを使って光の反射や吸収などのシミュレーションをし、植物全体の受光量を推定する研究を行っています。将来的には植物工場等の私の研究は、地球温暖化にともなう気候変動により農地の土壌水分量や地温がどう変化するかを予測することです。修士の段階からこのテーマに取り組んできて、博士課程ではより実際の農地に近い現象を再現できるシミュレーションをしていくつもりです。土壌水分量や地温の将来予測ができれば、土壌環境に合わせた品種改良や栽培方法の変更、灌漑政策にも役立つと思います。さらに得られた知見は農業従事者に還元できるようにしたいと考えています。実は、私は修士まで岐阜大学で土木を学ぶ専攻に所属していました。それでも農学の道を志したのは、中学の頃、世界の人口が70億を突破したというニュースを見たのが原点。人が増えれば住む場所も増え、それにより農地は減り、食糧難や飢餓の問題に直面するのではと考えました。そうした問題を解決するのが夢でした。東大の博士課程受験は農学を一から勉強することでもあり、大きなチャレンジでしたが、希望がかないました。今後は農学の領域で研究を続ける覚悟です。生物環境情報工学研究室 2024年修士課程進学環境地水学研究室 2024年博士課程進学Why have you chosen Department of Biological and Environmental Engineering ?生物環境工学研究室 2024年修士課程進学菊池 要 Kaname Kikuchi有賀 佳秀Keishu Aruga浅野 珠里 Juri Asanoなぜ生物・環境工学を選んだの?
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