プロフィール
専攻 |
生物・環境工学専攻
Department of Biological and Environmental Engineering
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研究室 |
生物機械工学研究室
Laboratory of Biological and Mechanical Engineering
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職名 |
教授 / Professor |
一般の方へ向けた研究紹介
カーボンニュートラルに向けたバイオマスエネルギーの利活用と適切な評価
日本は2030年度にGHG(温室効果ガス、Greenhouse Gas)排出量を2013年度比で46%削減し、2050年にカーボンニュートラルを実現することを目指しています。2013年度以後、GHG排出量が減ってはいるものの、目標を達成するのは容易ではなさそうです。GHG排出量を削減する方法の一つに、再生可能エネルギーの利用があります。このうち、私はバイオマスエネルギーの研究をしています。気候が温暖で、水の豊富な日本はバイオマスの生産に適しているからです。日本には山林が多く、主要なバイオマスの一つである木質バイオマスが多く産出されます。また、海に囲まれていること、淡水資源が豊富なことから、海水性および淡水性バイオマスの生産も期待できます。
研究内容は、各種バイオマスの収集運搬、バイオ燃料の生産技術開発、バイオ燃料のLCA(ライフサイクルアセスメント、Life Cycle Assessment)など多岐に渡ります。バイオマスエネルギーの特徴の一つにカーボンニュートラルが挙げられます。バイオ燃料を燃やすと化石燃料と同様に二酸化炭素が排出されますが、それはバイオ燃料の原料である植物が生長する過程で空気中から固定したものであるから差し引きゼロ、というのがカーボンニュートラルの概念です。しかし、実際には原料の生産、変換、輸送工程で化石エネルギー資源由来のエネルギーを消費するので、完全にカーボンニュートラルとは言えません。そこで、原料の生産から、使用、廃棄物の処理を通しての、環境影響評価(LCA)が必要です。
教育内容
農業用ロボットとバイオマスエネルギー:学術性と実用性の両立
当研究室では農業機械の自動化、ロボット化に関する研究を行っております。少子高齢化により日本の農業は危機に瀕しています。そんな中でいよいよ農業用のロボットが実用化し始めています。当研究室ではロボットの研究開発をして学術的な成果を出すだけではなく、企業と共同で実用的なロボットを作り、市販化することを目標にしています。具体的には各種の除草ロボット、農作業現場のモニタリングロボット、干し柿を生産するためのロボットを研究しています。研究室のもう一つの柱はバイオマスエネルギーです。2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、再生可能エネルギーの大量導入が期待されていますが、多くの困難な課題があります。バイオマスエネルギーも再生可能エネルギーの一つですが、食料生産との競合、コスト、温室効果ガス排出削減の実効性などが問題視されています。このため、食料と競合しない第2世代と称される木質系や草本系バイオマスから製造される燃料、また第3世代と称される微細藻類による燃料生産の研究をしています。卒業生の進路は公務員、大学教員、メーカーなど多岐に渡ります。
共同研究や産学連携への展望
農業用ロボットとバイオマスエネルギー:農学と工学の融合で新技術を開発
当研究室では大きく分けて、農業機械の自動化、ロボット化の研究、およびバイオマスエネルギーについての研究を行っています。前者は農業者人口の急激な減少への対応、後者は気候変動問題への対応であり、非常に重要です。双方とも農学と工学の両方に基礎を置く当研究で取り組むべき課題であると認識しています。また、学術的成果を出すだけではなく、実用性を重視していることから、常時企業や農業関係者との共同研究を行っています。具体的には各種の除草ロボット、農作業現場のモニタリングロボット、干し柿を生産するためのロボットを研究しています。また、バイオマスの分野では、食料と競合しない第2世代と称される木質系や草本系バイオマスからの液体生産、また第3世代と称される微細藻類による燃料生産の研究をしています。
研究概要ポスター(PDF)
関連リンク
キーワード
キーワード1 : 農業用ロボット、バイオマスエネルギー、バイオ燃料、LCA
キーワード2 : 気候変動、農業従事者の減少、エネルギー、温室効果ガス