プロフィール

鴨下 顕彦

鴨下 顕彦

KAMOSHITA Akihiko

専攻 附属アジア生物資源環境研究センター Asian Research Center for Bioresource and Environmental Sciences
研究室 地域資源評価研究室 Laboratory of Regional Resources Reassessment
職名 教授 / Professor

一般の方へ向けた研究紹介

土と根と作物のはたらきを生む「ことば」

 土や根の仕組みを調べて、作物がよくできるようにするための工夫をする研究をしています。肥料の使い方、水のやり方、微生物の使い方など、いろいろ方法はあります。生産基盤が整った地域と、あまり整っていない地域とでそれぞれに課題がありますが、私の重点はどちらかというと後者です。食料問題、環境問題、農業問題、平和問題に取り組んでいます。産業とのかかわりで言うと、生産農学という学術領域の中で、作物学、栽培学、アグロノミー、農業生態学という分野になりますが、見方を変えると、生物資源環境学ともいえます。東南アジアや南アジアに研究フィールドがありますが、これからも生物資源環境学を通してアジアとの友好関係を築いてゆきたいです。生産農学は古くからある学術分野で、栽培の基本技術、作物の多様性と改良などの原理を教えます。同時に、絶えず変化してゆく社会との関わりの中で、サスティナビリティ、スマート農業、GX(グリーントランスフォーメーション)のような新しい考え方や技術についても評価検討しています。

教育内容

地域からの視点:アジア生物資源環境学

 附属アジアセンターの中で、農業環境、森林、材料、海洋の先生たちと、海外の大学などの協力者とともに、ユニークな教育研究研修プログラムを展開しています。農学生命科学研究科の生産・環境生物学専攻、国際農業開発学コースのほか、農学部の応用生物学専修や緑地学専修、国際開発農学専修に対して、実験や卒業研究の機会を提供しています。自分、歴史、自然に向き合って、他者に対して心を開いて真実を探求することを教員としてサポートしています。最近の学位論文のタイトルをいくつか抜粋しますが、詳しくは、鴨下研のメンバーページ(https://www.kamoshitalab.com/blank)の「アカデミックポートフォリオ」をお読みください。
博士論文
・ベトナム紅河デルタでの塩水遡上の稲作への影響 – 持続可能な開発のための対照的な2つの三角江での適応の事例研究―
修士論文
・カンボジアの米の営農の変化と多様性に関する研究 ― 産業構造転換期における 3 つの異なる稲生態系での事例調査
・日本の主要農作物種子法廃止後の公的稲種子生産の課題:種子生産農家と道府県庁への事例調査
・2つの日本型イネから成る集団の根の維管束系形質の遺伝解析
卒業研究
・稲の根の形状と菌根菌感染率の関係
・植生の異なるクロボク土でのアーバスキュラー菌根菌のイネへの感染

共同研究や産学連携への展望

和解と希望:アジア生物資源環境学フォーラム

 南インド、カンボジア、タイ、ベトナムに研究フィールドや協力者・協力機関があります。ベトナムは、日越大学のスマート・サスティナブル農業プログラムに共同代表者として協力しており、優秀な人材の輩出を期待しています。
 極東アジアで、人間の安全保障と地域の公共的自然に対して開かれた民学連携を模索しています。人間の基本的な権利と国の役割、歴史・文化・自然の理解、国際交流、持続可能な資源管理、次世代育成など、キーワードになります。農、食、生物資源、環境は、個人や共同体にとって、普遍的な重要性を持っており、これらの分野の学術や教育に関わる者たちによる国際連携が、地域の持続可能な発展に貢献することを期待しています。時代が未来志向に傾斜している分、過去の歴史に学ぶ姿勢も重要だと思います。持続可能な農業(サスティナブル・アグリカルチャー)に関してインターラクティブな講義を用意しています。
 代替的な作物生産技術の評価・開発として、有機農業、自然農法、環境再生型農法などに関心を持っていますが、菌根菌の作物生産での活用のための研究も行っています。

研究概要ポスター(PDF)

キーワード

キーワード1  :  植物、作物、生物、農業、生産農学、ストレス、耐乾性、収量、栽培、肥料、施肥、環境、微生物、菌根菌、共生、生産、資源、地域、評価、開発、アジア、倫理
キーワード2  :  食糧問題、環境問題、平和問題、人権問題、農業問題、貧困問題