プロフィール

西村 亮平

西村 亮平

NISHIMURA Ryohei

専攻 獣医学専攻 Department of Veterinary Medical Sciences
研究室 獣医外科学研究室 Laboratory of Veterinary Surgery
職名 教授 / Professor

一般の方へ向けた研究紹介

動物たちを痛みや苦痛から解放することで動物との共生社会作りに貢献する

 麻酔と鎮痛、これは手術や痛みなどの刺激から生体を守るためになくてはならないものですが、痛いと言えない動物では、人以上に適切な実施が必要です。この問題の解決や改善に向けて、これまで動物における麻酔や鎮痛に関する研究をしてきました。これまで研究の対象としてきたのは、主に犬や猫ですが、サルなど他の動物も相手にしたこともあります。麻酔に関する研究では、ガス麻酔を使わない完全静脈麻酔の開発を行いました。鎮痛に関する研究では、様々な鎮痛薬が神経系のどの部分にどの程度効くのか、動物種によりその効き方が異なることなどを明らかにしました。さらに最近ではコモンマーモセットという小型霊長類を用いて、麻酔薬が脳の機能にどのような影響を及ぼしているかについて研究を行い、麻酔薬の中でも差があることを示しました。この研究は今後麻酔薬がなぜ効くのかという大きな謎の解明に結びつきそうで期待しています

教育内容

痛みとは何だろう、麻酔はなぜ効くのだろうそんな研究を目指しています

 麻酔と鎮痛、これは手術や痛みなど大きな侵襲から生体を守るためになくてはならないものですが、言葉を使った表現ができない動物においては、人以上に適切に実施することが求められます。この問題の解決や改善に向けて、これまで動物における麻酔や鎮痛に関する研究を続けてきました。これまで研究の対象としてきたのは、主に犬や猫ですが、サルなど他の動物も相手にしたこともあります。麻酔というと通常は、ガス麻酔薬(揮発性麻酔薬)を用いるというイメージが強いと思いますが、いくつかの問題もあることが分かっています。そこで麻酔に関する研究として、ガス麻酔薬を用いず注射薬のみで全身麻酔を行う完全静脈麻酔法の開発を行いました。鎮痛に関する研究では、様々な鎮痛薬が神経系のどの部分にどの程度効くのか、動物種によりその効き方が異なることなどを明らかにしました。さらに最近ではコモンマーモセットという小型霊長類を用いて、麻酔薬が脳の機能にどのような影響を及ぼしているかについて研究を行い、麻酔薬の中でも差があることを示しました。この研究は今後麻酔薬がなぜ効くのかという大きな謎の解明に結びつきそうで期待しています。

共同研究や産学連携への展望

PK/PDに基づいた麻酔法の開発とMRIを用いた脳機能研究

 言葉を持たない動物たちが痛いのかどうかを、より正確に知りそれに対して適切に対応できるようにすること、動物たちの麻酔をより安全で、より快適なものにすること、これは獣医師にしかできない仕事であり、また動物との共生社会をより確かなものにするために重要なことです。これまで行ってきた研究の一つが完全静脈麻酔の開発であり、各種動物における薬物動態/薬力学(PK/PD)の情報に基づき、バランス麻酔のコンセプトにより様々な側面からアプローチを重ねてきました。もう一つの研究テーマが各種動物における痛みの解明と、鎮痛薬の評価です。近年痛みのメカニズムがかなり解明されてきましたが、これまでの研究で動物種により鎮痛薬の効き方が一様でないことを明らかにしてきました。さらに最近ではコモンマーモセットという小型霊長類を用いて、麻酔薬が脳の機能にどのような影響を及ぼしているかについてfunctional MRIを用いて研究を行い、麻酔薬の中でも差があることを示しました。この研究は今後麻酔薬がなぜ効くのかという大きな謎の解明に結びつきそうで期待しています。

研究概要ポスター(PDF)

キーワード

キーワード1  :  PK/PDに基づいた麻酔法の開発とMRIを用いた脳機能研究
キーワード2  :  麻酔、鎮痛、麻酔薬、鎮痛薬、麻薬、MRI、硬膜外麻酔、完全静脈麻酔、脳機能