プロフィール

富田 武郎

富田 武郎

TOMITA Takeo

専攻 応用生命工学専攻 Department of Biotechnology
研究室 微生物代謝工学研究室 Laboratory of Microbial Biotechnology
職名 特任准教授 / Project Associate Professor

一般の方へ向けた研究紹介

温泉で発見された好熱菌を有用物質生産のホストとして活用する。

 微生物というと一般には病原菌やカビのように我々の生活にとって不利益をもたらすものが思う浮かぶかもしれませんが、実は人類にとって有用なものも数多く存在しています。地球規模での環境保全、様々な発酵食品、医薬品や様々な有用化合物の生産等・・・に非常に多数の微生物が関わっています。一方、最近生命の設計図であるゲノム配列が微生物においても解明され、大腸菌等を改変し、有用物質生産を設計する「合成生物学」的研究が盛んになっています。私は、「好熱菌」に着目し、その高温下における活発な代謝活性の仕組みを解明するとともに、これを合成生物学研究のプラットフォームとして利用することで高温下における効率的な物質生産系の開発を目指しています。好熱菌は50年程前に伊豆の峰温泉江発見された細菌で、ゲノムサイズが非常に小さいため、代謝の人為制御が大腸菌よりも圧倒的に容易であると期待されます。高温下における生物による物質生産を目標とした研究は他にはなく、熱帯植物のような極限生物による物質生産を駆動させるためのホストとして利用するなどのように難環境に対し頑強かつユニークな物質生産系の開発を目標としています。

教育内容

温泉で発見された好熱菌を有用物質生産のホストとして活用する。

 微生物というと一般には病原菌やカビのように我々の生活にとって不利益をもたらすものが思う浮かぶかもしれませんが、実は人類にとって有用なものも数多く存在しています。地球規模での環境保全、様々な発酵食品、医薬品や様々な有用化合物の生産等・・・に非常に多数の微生物が関わっています。一方、最近生命の設計図であるゲノム配列が微生物においても解明され、大腸菌等を改変し、有用物質生産を設計する「合成生物学」的研究が盛んになり、実際に様々な物質の工業生産に利用されています。私は、「好熱菌」に着目し、その高温下における活発な代謝活性の仕組みを解明するとともに、これを合成生物学研究のプラットフォームとして利用することで高温下における効率的な物質生産系の開発を目指しています。好熱菌は50年程前に伊豆の峰温泉江発見された細菌で、ゲノムサイズが非常に小さいため、代謝の人為制御が大腸菌よりも圧倒的に容易であると期待され、高い生産性のポテンシャルがあると考えられます。高温下における生物による物質生産を目標とした研究は他にはなく、熱帯植物のような極限生物による物質生産を駆動させるためのホストとして利用するなどのように難環境に対し頑強かつユニークな物質生産系の開発を目標としています。
 大学院農学生命科学研究科応用生命工学専攻の生体触媒分子論、農学部生命工学専修のタンパク質・酵素学II、学生実験(微生物による酵素生産)を担当しています。微生物が持つ有用な代謝機能を酵素やタンパク質の立体構造のレベルまで落とし込み理解し、機能設計することに興味を持ち、さらにその知見を利用して社会貢献する意思を持った研究者を育てることを目標としています。

共同研究や産学連携への展望

好熱菌を高温下で働く新しい物質生産プラットフォームとする

 地球規模での環境保全、様々な発酵食品、医薬品や様々な有用化合物の生産に非常に多数の微生物が関わっています。一方、最近生命の設計図であるゲノム配列が微生物においても解明され、大腸菌等を改変し、有用物質生産を設計する「合成生物学」的研究が盛んになっています。私は以前より「好熱菌」に着目し、中央代謝やその調節機構の研究を行ってきました。好熱菌は50年程前に伊豆の峰温泉江発見された細菌で、ゲノムサイズが非常に小さいため、代謝の人為制御が大腸菌よりも圧倒的に容易であると期待されます。我々は今後高温下における活発な代謝活性の仕組みを解明するとともに、これを合成生物学研究のプラットフォームとして利用することで高温下における様々な物質の効率的な生産系の開発を目指しています。高温下における生物による物質生産を目標とした研究は他にはなく、熱帯植物のような極限生物による物質生産を駆動させるためのホストとして利用するなどのように難環境に対し頑強かつユニークな物質生産系の開発を目標としています。
 これまでに窒素源の利用・生産の制御において重要なグルタミン酸脱水素酵素における複雑なアロステリック調節機構を結晶構造解析やクライオ電顕構造解析も用いて精密解明してきました。その結果、アミノ酸や核酸の存在によって本酵素は顕著な活性化を受けることが明らかとなりました。中央代謝には他にも未だ知られていない代謝調節機構が存在すると予想され、それらを解明することで代謝調節のブラックボックスを無くし、人為制御へと近づけたいと考えています。また、高温下で働く異種由来の有用酵素を導入することにより効率的物質生産のホストとしても利用することも試みています。

研究概要ポスター(PDF)

キーワード

キーワード1  :  生化学、構造生物学、応用微生物学、微生物、好熱菌、グルタミン酸脱水素酵素、窒素代謝、タンパク質工学、アロステリック調節、タンパク質間相互作用
キーワード2  :  合成生物学、物質生産、生物生産、食糧問題、環境問題