プロフィール

富安 博隆

富安 博隆

TOMIYASU Hirotaka

専攻 獣医学専攻 Department of Veterinary Medical Sciences
研究室 獣医内科学研究室 Laboratory of Veterinary Internal Medicine
職名 准教授 / Associate Professor

一般の方へ向けた研究紹介

“治らない病気”を“治せる病気”に

 犬や猫などの伴侶動物(ペット)がより強く家族化することに伴い、その医療に対する社会的要求が高まっていることから、小動物獣医臨床の「高度化」と「細分化」が加速的に進んでいます。このうち医療の「高度化」には研究の力が不可欠です。
 私は本学附属動物医療センターにおいて各種内科疾患に罹患してしまった犬や猫の診断・治療にあたるとともに、獣医内科学研究室においてこれら疾患の病態解明と新規診断法・治療法の確立を目指して研究活動を行なっています。
 その研究対象は幅広く、消化器疾患や血液疾患、そして抗がん剤治療が適応となる腫瘍性疾患などに関する研究を精力的に進めています。特に、近年急速に発展している網羅的ゲノム解析技術を積極的に取り入れDNA配列や遺伝子発現/タンパク発現における異常を詳細に探索することで、これまでとは異なる視点から新たな病態を明らかにしています。また伴侶動物である犬や猫は人と近い環境で過ごしており、発生する疾患も多くの点で類似することがわかってきているため、このような病態解明は人医学領域においても新たな知見をもたらすものとなっています。
 このような研究活動を通して、犬や猫、さらには人において”治らない病気”とされていた疾患を”治せる病気”とすることが私の目標です。

教育内容

小動物臨床における橋渡し研究の最前線を担う人材を育む

 犬や猫に発生する内科疾患に関する講義や検査実習を通して深い知識や技術を得てもらうのは当然のこと、実際に社会と通じる現場である本学附属動物医療センターでの診療を目の当たりにしてもらうことを最も重要な一歩と考えています。疾患を自分の眼で捉え、診断・治療の壁を痛感することで強い動機を持って研究を遂行する、そして自身の研究成果を応用して動物の疾患を治療する、これが小動物臨床における橋渡し研究の最前線です。当研究室の学部生や大学院生はこの橋渡し研究の一端を遂行しており、消化器疾患や血液疾患そして腫瘍性疾患などに関して臨床病理学的技術と最新の分子生物学的技術を応用して新たな病態解明や新規診断法・治療法につながる成果を挙げています。このような活動は犬や猫だけでなく人やその他の動物を対象とした動物生命科学全般に強い関心を抱くことにつながると考えており、自身の研究によって生命現象を明らかにすることの喜びや意義深さを感じてほしいと思います。
 このような教育活動を通じて日本を超えて世界を舞台に活躍する獣医学橋渡し研究を担う人材を育んでいくことが私の研究活動の最大の目標であり、当研究室の卒業生には国内外の産学において様々な立場からこの橋渡し研究につながる活動を継続している方が多くいらっしゃいます。

共同研究や産学連携への展望

橋渡し研究の最前線だから実現可能な産学連携

 小動物臨床における橋渡し研究を精力的に行っており、これまでに犬や猫に発生する様々な疾患に対する新規診断法・治療法の確立に至っています。これらの成果の中には臨床検査受託企業や製薬企業などとの共同研究を通じて開発・臨床応用に至った例も少なくありません。具体的には、新たな血液検査系の有用性検証と臨床応用、腫瘍性疾患におけるゲノム異常を利用した新規診断系の確立、新規化合物の治療効果の検討、既存薬が持つ新たな効能の検証と臨床応用などが挙げられます。 このような産学連携は、実際の症例の診療にあたる現場から生まれたニーズに基づいて開始され、症例検体を用いた有用性の検討を経て実際の臨床現場に還元されており、まさに橋渡し研究の最前線で行われた共同研究だからこそ生み出せた社会的有用性の高い成果となっています。 すでに開発済みの成果物・技術の臨床応用のご相談はもちろんのこと、まずは小動物臨床現場で今何が求められているか、というご相談から共同研究を開始することもお受けしています。お気軽にご連絡ください。

研究概要ポスター(PDF)

キーワード

キーワード1  :  犬、猫、獣医、臨床、癌、血液、消化器、橋渡し研究、トランスレーショナルリサーチ、分子生物学的解析、次世代シーケンサー、NGS、網羅的解析
キーワード2  :  小動物臨床、新規診断法開発、新規治療法開発