図3 TRPC3チャネル阻害は自発的な運動と同様に、ドキソルビシン誘発性心筋萎縮を抑制する(TRPC3阻害は運動を模倣する?)

TRPC3チャネルを欠損あるいは阻害し、Nox2タンパク質の安定性を低下させたマウスの心臓は、あたかも適度な運動を与え続けたマウスの心臓のように、柔軟かつ高い弾性・伸展性(コンプライアンス)を示します。自発的な運動を与え続けたマウスの心臓は肥大(生理的肥大)しているものの、TRPC3-Nox2タンパク質複合体数が顕著に低下します。TRPC3チャネル活性およびTRPC3-Nox2複合体形成の阻害により心筋コンプライアンスは高く維持され、ドキソルビシン心筋萎縮も起こらなくなります。