ミトコンドリアDNA変異とアポトーシスの哺乳類老化機構への関与


 本研究科食品工学研究室の染谷慎一特任教員、田之倉優教授らは、早老症モデルマウスの作製に成功し、ミトコンドリアDNA(mtDNA)変異の蓄積により老化が進行し、その老化機構にはアポトーシス(プログラム細胞死)が関与することを示しました。
  また、老化進行の有力な機構の一つとされてきた「活性酸素種による酸化障害」が、老化機構に関与していないことを示しました。さらにこのmtDNA変異の蓄積が代表的な加齢性疾患である加齢性難聴の原因となり得ることを今回初めて明らかにしました。
  活性酸素種は細胞のDNA、タンパク質、細胞膜等を酸化させることで老化機構に関与すると考えられてきましたが、今回の発見によりアポトーシスによる細胞障害が老化機構に関与することが強く示唆されました。本研究の成果は15日付の米科学誌サイエンス(Science 15 July 2005: 481-484)に発表されました。新たな老化メカニズムの解明は、老化の抑制方法・加齢性疾患の開発につながる可能性があります。


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