公開セミナー

第40回 東京大学農学部公開セミナー

農学に根ざす野外研究
 ―附属施設の活動から―

2011年6月18日(土)13:30~16:30

プログラム

開会の挨拶

新規に開発した二つの家畜伝染病の統御法(13:35~14:25)

附属牧場 教授 眞鍋 昇
新規に開発した二つの家畜伝染病の統御法

我が国の食の安全を取り巻く環境は年々厳しくなってきており、畜産分野ではこの10年間だけでも動物から動物に伝染する口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザ、動物から人間に伝染する牛海綿状脳症などが大きな社会問題を引き起こしてきた。附属牧場では、最先端の科学技術を活用してこのような家畜伝染症を統御する新規な手法の研究開発を続けて社会に貢献している。今回、遺伝子ノックアウトという新技術を駆使して病原因子プリオンを取り除いて牛海綿状脳症に罹患しない牛を作出した例と発酵温度が117℃に達する好気性超高温発酵菌叢を用いて家畜糞尿処理することで腸管媒介感染症を元から絶てる技術を開発した例を紹介する。

~~~~休憩(10分)~~~~

水資源枯渇に対応する稲作技術の開発(14:35~15:25)

水資源枯渇に対応する稲作技術の開発
附属生態調和農学機構 助教 加藤 洋一郎

熱帯アジアを始め、農業用水の不足が懸念される地域が急速に拡がっている。このため、生産量を維持したまま水消費量を出来るだけ減らすような稲作の開発が世界中で進められている。講演では附属生態調和農学機構における取り組みを含め、持続的な水資源利用を可能にする稲作技術に関する研究を紹介する。

~~~~休憩(10分)~~~~

森の生き物の大発生―森林生態系の自己調節機構―(15:35~16:25)

森の生き物の大発生
附属演習林 教授 鎌田 直人

東大演習林はさまざまな長期データを蓄積し研究に利用している。森林は静的に見えるが、実はダイナミックに変動しながら長期的な安定性が保たれている。昆虫が大発生しても、森林生態系の自己調整能力が働き、自然に終息していく。ブナ林で周期的に大発生する蛾を対象に森林生態系における生物間相互作用のメカニズムとダイナミックスを紹介する。また、進行しつつある気候変動と昆虫の大発生に対する影響についても紹介する。

閉会の挨拶

司会・進行 応用生命工学専攻 准教授 日髙 真誠

開催のご案内

日時 2011年6月18日(土)13:30~16:30
場所 東京大学 弥生講堂・一条ホール
東京都文京区弥生1-1-1
地下鉄南北線 「東大前」下車 徒歩1分
地下鉄千代田線 「根津」下車 徒歩7分
お車でのご来場はご遠慮ください。
対象 どなたでも参加できます。
定員 300名(当日先着順、事前登録不要)
※定員を超えた場合、入場をお断りすることがあります。
参加費 無料
受講証 受講証を発行いたします。
ご希望の方は、120円切手をご持参の上、当日受付でお申込ください。

主催・共催

主催 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
共催 財団法人 農学会

お問い合わせ

東京大学農学系総務課 総務チーム 総務・広報情報担当
〒113-8657 東京都文京区弥生1-1-1
電話 03-5841-8179, 5484
E-mail koho@ofc.a.u-tokyo.ac.jp