プログラム

開会の挨拶

昆虫の病原体:制御と利用

生産・環境生物学専攻 准教授 勝間 進

私たち人間に病気が存在するように、昆虫にも病気が存在する。感染性の病気の原因となる病原体は、ウイルス、細菌、糸状菌など多様であり、日々、宿主である昆虫とせめぎ合いを繰り返している。本セミナーでは、私たちの身近に存在する昆虫の病原体を紹介し、カイコをはじめとする家畜昆虫を病原体から守ってきた歴史や、病原体を利用して害虫を制御したり、医薬品やバイオマテリアルを生産している現状を紹介する。

魚介類の防疫の今

水圏生物科学専攻 教授 良永 知義

これまでに多くの魚介類の病原体が侵入し、養殖業、漁獲漁業に被害を与えている。また、海外でも同様の現象が頻発している。海外には、現在復興の途上にある東北地方の養殖業も含めて、我が国の水産業に大きな危機となりえる伝染病が存在している。しかし、防疫を考える上で、魚介類の伝染病は陸上動物のそれとは異なる特徴を持ち、現在の日本の魚介類の防疫制度はこれらの危機に十分対応できる状態ではない。このセミナーでは、国際間で伝搬した魚介類の伝染病の例と、魚介類伝染病の特徴、さらには日本の魚介類の防疫制度を説明した上で、今後あるべき方向性について提案したい。

病気の進化を考える

獣医学専攻 教授 中山 裕之

がんは遺伝子DNAの異常によっておこる病気、アルツハイマー病はタンパク質の老化によっておこる病気と考えられる。DNAやタンパク質の老化がおこる前に動物が死んでしまえば、がんや神経変性疾患はおこらない。ヒトのように長寿命を獲得した動物では、DNAやタンパク質の老化がおこり、がんやアルツハイマー病など老化関連疾患が発生するようになったのではなかろうか。タスマニアン・デビルの伝染するがん、老齢動物の脳病変、犬と猫のがん、忠犬ハチ公の死因などのトピックスを通じて考察する。

閉会の挨拶

司会: 獣医学専攻 准教授 内田 和幸

開催のご案内

日時 2013年11月23日(土) 13:30~16:30
場所 東京大学弥生講堂・一条ホール
東京都文京区弥生1-1-1
地下鉄南北線 「東大前」下車 徒歩1分
地下鉄千代田線 「根津」下車 徒歩7分
※お車でのご来場はご遠慮ください。
対象 一般(どなたでも参加できます)
定員 300名(当日先着順、事前登録不要)
※定員を超えた場合、入場をお断りすることがあります。
参加費 無料
受講証 ご希望の方には、受講証を発行いたします。
発行を希望する場合は、120円切手をご持参の上、当日受付でお申し込みください。

主催・共催

主催: 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
共催: 公益財団法人 農学会

お問い合わせ

東京大学農学系総務課総務チーム 総務・広報情報担当
〒113-8657 東京都文京区弥生1-1-1
電話 03-5841-8179, 5484
E-mail koho@ofc.a.u-tokyo.ac.jp