プロフィール

青木 謙治

青木 謙治

AOKI Kenji

専攻 生物材料科学専攻 Department of Biomaterial Sciences
研究室 木質材料学研究室 Laboratory of wood-based materials and timber engineering
職名 教授 / Professor

一般の方へ向けた研究紹介

木材の利用は地球環境を救う!?

研究の背景
 

樹木は空気中の炭素を取り込んで成長します。人間は、その樹木を伐採して様々な用途に活用してきました。特に住宅等の建築物に木材を利用することにより、数十年から数百年もの間、炭素を地上に固定し続けることができ、伐採したところに新たに植林することでさらに炭素を固定することができることから、木材の利用は有効な地球温暖化対策の一つと考えられています。

研究の内容
 

私は木材および木材を加工して得られる様々な木質材料を有効に活用して建築物に適用する研究をしています。木材が元々備えている物性を活かしつつ、新たな性能を付与したり、欠点を補ったりした材料を開発し、その強度特性を正しく評価して建築物等へ適用する方法を検討しています。

今後の展望
 

現在、住宅だけでなく大型の建築物を木造化する流れが世界的に活発化しています。これまでよりも大きくて長い木材を使って建築する必要があるため、材料の製造方法の再検討や新たな性能評価など、新しい課題をひとつずつ解決していく必要があります。

教育内容

木質材料と木質構造の懸け橋になる人材を輩出しています

教育活動内容
 

木材・木質材料の基礎から、その利用先である建築に関係した木質構造学等の講義を通して、木材を安全に利活用する方法を学んでいきます。学生実験では、自分たちで設計したベンチの製作といった、木材の加工から組み立てまでを独力で取組むような実習もあります。教科書に書いてある知識だけでなく、材料規格や接合部設計法などを講義・演習することで、社会で役立つ実践力を養います。

人材育成の目標
 

木材の基礎から応用までの知識を持ち、その利用方法まで理解することで、建材産業・住宅産業・建設産業・建築設計業といった分野で活躍できる人材を育成しています。また、これらに関係した基準や規格を定める側の人材も育てています。

人材輩出の実績
 

大学教員、林野庁、(国研)建築研究所、(国研)森林総合研究所、竹中工務店、清水建設、大成建設、熊谷組、前田建設工業、日建設計、日本設計、山下設計、Arup、シェルター、一条工務店、住友林業、三井ホーム、ミサワホーム、大建工業、ニチハ、など。

共同研究や産学連携への展望

一緒に木質構造の可能性を拡げてみませんか?

取り組んでいる社会問題
 

地球温暖化防止に貢献すべく、木材利用を促進する技術開発研究を実施しています。木材は、そのままで使う場合もあれば、様々に形を変えて木質材料として活用するものも多くあります。また、用途に合わせて要求性能や必要となる耐久性も異なりますので、木材・木質材料の特性を正しく理解し、用途に合わせて使い分けることが重要です。特に木材の用途として大きいのは建築物の構造材ですので、安心・安全な木造建築物を作るべく、材料特性の把握、接合部の性能評価と設計法の構築、構造部材の設計法の確立などの課題に取り組んでいます。

現時点での課題に対する成果物や進捗
 

当研究室の研究成果は、JAS規格や建築学会規準、各種団体発行の技術書など様々なところに活用されています。さらに、実際の木造建築物の中の構造部材として利活用された研究成果も数多くあります。基礎研究と応用研究の組み合わせで、木材利用の可能性を拡げています。

今後の進展に適用可能な技術や研究、展望
 

新たな木質構造を一緒に開発したい方、技術開発における学術的な裏付けが欲しい方などと、共同研究を実施することが可能です。また、社会人の方の学び直しとして、社会人修士課程「木造建築コース」の運営や、研究生・研究員としての受入れなども行っています。興味のある方は是非ご連絡ください。

研究概要ポスター(PDF)

キーワード

キーワード1  :  木材、木質材料、木造建築、木質構造、木材利用、木造住宅、中大規模木造、中高層木造、木材輸出
キーワード2  :  地球温暖化、炭素固定、木材の需要拡大、木材自給率、建材利用、林産物の輸出、