プロフィール

荒木 徹也

荒木 徹也

ARAKI Tetsuya

専攻 農学国際専攻 Department of Global Agricultural Sciences
研究室 国際情報農学研究室 Laboratory of International Agroinformatics
職名 准教授 / Associate Professor

一般の方へ向けた研究紹介

食を対象とする研究は、実験的研究だけでなく社会科学などの様々な学問が融合した複合領域です。

 私の研究室では、食品科学や食品工学をはじめとする実験的研究を行うと同時に、フィールドワークを主体とする食の学際研究にも積極的に取り組んでいます。
 インターネット上で食品科学や食品工学という学問分野を検索すると、これらの学問分野は物理学、化学、生物学や工学(例:化学工学、伝熱工学、冷凍工学、乾燥工学)などの様々な学問が融合した複合領域であることに気づくことでしょう。これらの学問分野においては、食品および原料の物理的、化学的および生化学的特性を理解した上で、意図した食品を実用レベルで、かつ社会の要請に応じてつくるために必要となる考え方や知識を学ぶと同時に、工業製品とは異なる食品特有の因子(安全性、衛生状態、栄養価、風味など)について学ぶことが必要とされているのです。
 また、世界には様々な食文化が存在しますし、それぞれの地域における食を取り巻く環境や社会経済的条件も多種多様です。こうした多種多様な現実をより深く知るために、私の研究室では参与観察やインタビュー、アンケート調査等の社会科学的手法に基づくフィールドワークを主体とする食の学際研究に取り組んでいるのです。

教育内容

食品科学/工学研究と食の学際研究の二刀流を国際色豊かな仲間とともに体験しましょう。

 私の研究室では、食品科学や食品工学をはじめとする実験的研究を行うと同時に、フィールドワークを主体とする食の学際研究にも積極的に取り組んでいます。また、私の研究室では、学生が自分自身で研究テーマを設定し遂行する能力を養うことを重視しています。以下に卒業生による研究テーマの実施例をいくつか示します。
【食品科学/工学研究の実施例】
- 大気圧低温プラズマによる農産物の鮮度保持効果に及ぼす供給ガスの種類と濃度の影響
- Vis-NIR分光と画像分析を用いた非破壊的なイチゴの品質評価システム
- 柑橘類ナツミカンの皮の特性評価と天然食品添加物としての応用に関する研究
【食の学際研究の実施例】
- 東南アジア諸国の食塩摂取量およびコールドチェーンが国民健康改善に及ぼす影響の評価
- 国民皆保険下のインドネシアにおける伝統的な薬草療法に関する総合的研究
- ブータンの野生食用果実に関する民族植物学的研究
私の研究室には留学生も多く、現在は中国、韓国、インドネシア、インドおよびコスタリカからの留学生が在籍しています。また、卒業した留学生の出身国は米国、中国、韓国、台湾、フィリピン、インドネシア、タイおよびブータンとなっており、母国や日本国内で大学教員あるいは研究員として、また世界各地で社会人としてそれぞれ活躍されています。

共同研究や産学連携への展望

学生が主体的に成長可能な共同研究体制と国際ネットワークの構築を目指しています。

 食品科学や食品工学をはじめとする実験的研究に関しては、農業・食品産業技術研究機構(農研機構)食品研究部門と連携して共同研究を実施する体制、すなわち学生が自分自身で研究テーマを設定し遂行する能力を養うための教育・研究体制を整えているのが私の研究室の強みの一つです。また、学会活動について、例えば日本食品科学工学会や日本食品工学会、日本冷凍空調学会などの年次大会等で随時研究発表を行っておりますので、こうした研究発表の場での情報交換から新しい共同研究や産学連携への展望が開かれていくことを期待しています。
 国際共同研究に関しては主にインドネシアをフィールドとする研究を継続的に実施していますが、近年では東南アジア諸国のみならず南アジア諸国や中南米およびアフリカ諸国からの留学生も私の研究室に所属し、あるいは所属を希望しており、将来的には卒業生を中心とするネットワークがより国際色豊かなものへと成長するであろうと期待しています。

研究概要ポスター(PDF)

キーワード

キーワード1  :  食品科学、食品工学、学際研究、フィールドワーク
キーワード2  :  食品の品質評価、食糧問題、医療問題、文化問題