プロフィール
一般の方へ向けた研究紹介
林業のスマート化・精密化を進めることを目指しています
日本全国の人工林(1,212万ha)は、森林総面積(2,512万ha)の約半分を占めています。昭和20年代以降に植林された木々のうち、65%以上が収穫適齢期を超えており、主伐期を迎える森林が大幅に増加しています。林業は急峻な地形条件下での人力作業が多く、「きつい・汚い・危険」と言われる3K産業から脱却し、生産性・安全性・収益性を向上させるためには、デジタル技術や高性能林業機械の活用が不可欠です。
また、林業の成長産業化を実現するには、川下の木材需要者から「過不足のない長さ・太さで丸太を生産し、無駄を削減したい」というニーズに応える必要があります。このため、立木状態での精密な森林資源量の在庫把握技術が重要な課題となっています。
私たちはこれらの課題を解決するため、遠隔操作が可能なドローン、精密計測が可能なレーザセンサ、AI解析技術、高性能林業機械を組み合わせ、川上と川下を連携させた実証実験を通じて、林業現場で実用可能なスマート林業技術の開発を目指しています。さらに、林業現場のニーズに即した研究開発に携わることで、森林経営管理に必要なデジタル技術の習得を促し、ICT人材の育成にも取り組んでいます。
教育内容
森林管理の現場と連携し、先端技術を実践的に学ぶ場としています
私は分担教員として、「全学体験ゼミナール」、「森林科学総合実習」、「森林環境資源学」、「森林生態圏管理学」などの講義に携わっています。
私の研究は「スマート精密林業」をキーワードに、レーザセンシング(LS)、ドローン(UAV)、ICT、AIなどの先端技術を活用し、日本の林業の成長産業化と環境保全に貢献することを目指しています。
良い研究成果を生み出すためには、優れた研究フィールドが不可欠です。私は現場第一主義の立場から、東京大学附属演習林をはじめ、自治体や林業事業体の現場課題の解決を目指す多くの大型研究プロジェクトに従事し、独自技術の開発や特許出願にも取り組んできました。
さらに、林業現場のニーズに即した研究開発を通じて、森林管理に必要なデジタル技術の習得を促し、即戦力となる人材の育成にも力を入れています。
共同研究や産学連携への展望
スマート精密林業を軸に、林業の成長産業化に貢献することを目指しています
私は「スマート精密林業」をキーワードに、レーザセンシング(LS)、ドローン(UAV)、ICT、AIといった先端技術を統合的に活用し、森林資源の高精度な把握と持続的な管理を可能にする研究に取り組んでいます。これらの技術を活用することで、伐採計画や森林施業の効率化、炭素貯蔵量の定量評価、生物多様性保全といった多面的な課題に科学的根拠をもって対応することが可能になります。
今後は、産業界や自治体、研究機関との連携をさらに強化し、以下のような分野での共同研究や産学連携を展開していきたいと考えております。
・森林資源デジタルツインの構築
高精度なLSデータやUAV画像から森林の3Dモデルを作成し、成長予測や伐採・造材シミュレーションを行うことで、樹木の価値を高めて、持続的な森林経営を支援します。
・AIによる森林ビッグデータ解析
膨大な森林計測データをAIで解析し、樹種判別や病虫害の早期検知、施業の最適化など、新たな林業サービスの創出につなげます。
・サプライチェーン全体を見据えた林業DX
森林計測から伐採、搬出、加工、流通に至るまで、デジタル技術を活用した情報連携基盤を構築し、産業としての付加価値を高めます。
・教育・人材育成との融合
現場での技術実証やインターンシップを通じて、次世代の林業人材が最新技術を活用できるスキルを身につける機会を提供します。
これらの取り組みを通じて、森林資源の持続可能な利用と地域産業の活性化を両立させ、林業の成長産業化に貢献することを目指しています。
研究概要ポスター(PDF)
関連リンク
キーワード
キーワード1 : 森林計測計画、林業DX、スマート林業、レーザセンシング、ドローン、情報通信技術、人工知能、木材生産流通、森林産直サプライチェーン
キーワード2 : 森林管理、森林資源持続利用、森林クレジット、ウッドショック、地域循環林業、木材安定供給、山元還元、再造林、生物多様性保全