プロフィール

藤田 卓

藤田 卓

FUJITA Suguru

専攻 応用動物科学専攻 Department of Animal Resource Sciences
研究室 動物細胞制御学研究室 Laboratory of Animal Cell Regulation
職名 助教 / Assistant Professor
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一般の方へ向けた研究紹介

数理と実験をつなぎ、食と代謝の謎を解く

私はこれまで、一貫して「代謝」をキーワードに研究を進めてきました。最初のテーマはヒトの糖代謝で、糖やアミノ酸を経口摂取した際に血糖調節やエネルギー利用にどう影響するのかを、包括的な代謝物を計測することと計算を用いて明らかにすることに取り組んできました。そこから発展して、代謝の根本を担うタンパク質に着目し、その機能をコンピュータで予測する研究を行ってきました。配列や立体構造をもとに機械学習を用いてタンパク質の働きを推定する方法を開発し、未知の代謝関連タンパク質の役割解明に貢献してきました。
現在は、食事中のアミノ酸組成がラットの代謝に及ぼす影響を主に実験的に研究しています。個体レベルや細胞レベルでのアミノ酸・脂質代謝の変化を測定し、食事と代謝をつなぐ仕組みを理解することを目指しています。特に、血中アミノ酸のパターンと脂肪肝との関係など、生活習慣病予防につながる知見を得つつあります。
今後は、これまでのヒト研究とタンパク質機能予測の知見を基盤に、ラット実験から得られた成果を人間の健康維持に応用していきたいと考えています。代謝研究を多角的に進めることで、個人に合わせた食事提案や新しい栄養学的アプローチの実現を目指しています。

教育内容

確かな基盤と自由な探究、その両方を大切に

私は、食と代謝の研究を題材に、計算と実験の両面から生物学に取り組む姿勢を学生に身につけてもらうことを目指しています。これまでヒトの糖代謝研究、タンパク質機能予測、ラットのアミノ酸代謝研究と研究領域を広げてきましたが、いずれも「複雑な生命現象をデータに基づいて理解し、社会に役立てる」という共通したテーマを持っています。教育の場でも、こうした学際的な視点を重視しています。
講義や実習では、学生の理解度や進度にばらつきがあることを前提に「最低限身につけてほしい項目(=基盤)」を設けつつ、興味や意欲に応じて発展的な課題に挑戦できる仕組み(自由な探求)を取り入れています。これにより、あるトピックが得意でない学生も安心して学べ、知的好奇心を持った学生にはさらに深い探究へ進んでもらえます。また、研究室での対個人教育では、学生の個性や興味を尊重し、対話を通して研究を推進することを大切にしています。
私が目指す人材像は、自ら問いを立て、広い視野から課題解決のためのアプローチを組み合わせて問題に挑むことができる研究者です。教育は研究と相互作用し、新たな発想を生み出す源泉です。私は今後も、学生と共に学び合いながら、未来を拓く研究者を育成していきたいと考えています。

共同研究や産学連携への展望

食と代謝の科学で、新しい健康価値を共創する

私は、「食事と代謝のつながり」を実験と計算の両面から解明することを目指しています。研究成果を大学に留めるだけでなく、多くの方と共有することに価値があると考えているため、これまでの私の研究と少しでも関わりがあれば共同研究・産学連携を歓迎します。
私の興味のある研究は、食品成分の機能性評価、新しい栄養指導法の開発、個人に合わせた食事提案、さらには医薬・サプリメント開発といった幅広い分野に応用可能です。特に、データ解析・機械学習による予測と、動物実験による生理的検証を組み合わせられる点は、当研究室ならではの強みです。
今後は、食品・医薬品メーカー、健康産業、IT分野の企業などと連携し、科学的根拠に基づいた健康価値の創出に取り組んでいきたいと考えています。社会にとって有用な成果を生み出すために、産学連携を積極的に推進し、基礎研究から応用研究、さらには事業化へとつながる橋渡しを行っていきたいです。

研究概要ポスター(PDF)

キーワード

キーワード1  :  代謝、ヒト、ラット、細胞、食、システム生物、アミノ酸、タンパク質、AI、オミクス、機械学習、深層学習、時系列、因果
キーワード2  :  脂肪肝、糖尿病、成長遅滞、生活習慣病