プロフィール
| 専攻 |
農学国際専攻
Department of Global Agricultural Sciences
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| 研究室 |
国際農業開発学研究室
Laboratory of International Agricultural Development Studies
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| 職名 |
助教 / Assistant Professor |
| researchmap |
リンク
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一般の方へ向けた研究紹介
おいしい海の幸が地球を救う
マグロやウナギといった魚類から、コンブやワカメなどの海藻まで、幅広い「おいしい海の幸」の生態や機能、そしてそれらを育む海洋環境を科学的に調べています。近年、特に力を入れているのが「ブルーカーボン」と呼ばれる分野です。ブルーカーボンとは、海藻や海草、マングローブ林といった沿岸の生態系が光合成で吸収した二酸化炭素のうち、海底や深海に沈んで長期間分解されずにため込まれている炭素のことです。一見するとすぐに分解されてしまいそうですが、実際には場所によっては百年以上、長いものでは数百年から千年近くも海の中にとどまり続けることが分かっています。私は、海底の堆積物をコアリング(円柱状に採取)し、安定同位体比や環境DNA分析、放射性同位体といった手法を用いることで、どのようなブルーカーボン生態系の構成種が、どれくらいの炭素を、どれくらい長い時間貯めてきたのかを明らかにするべく調査を進めています。この研究によって、ブルーカーボン生態系が気候変動対策にどれほど貢献しているのかを数値として示すことができ、沿岸生態系の保全や再生に向けた政策づくりや、ブルーカーボンクレジットの基盤整備にも役立ちます。将来的には、どの地域を優先的に保全すると最も効果的にCO₂を減らせるのかを示す評価モデルをつくることで、「おいしい海の幸」を活かしたカーボンニュートラル社会の実現を目指しています。
教育内容
学際的な学びで、思考力と行動力を備えたリーダーを育てる
海洋学際教育プログラムの「海洋問題演習」を担当しています。この授業では、文系・理系いろんな分野の大学院生が集まり、海のゴミ問題や気候変動、漁業やブルーカーボンなど、海にまつわる社会課題についてチームで知恵をしぼります。学生たちは自由に現地調査に出かけ、時には海へ、時には森へと、様々なフィールドに出かけて情報を集めます。教室に戻れば少人数のディスカッション。全員の頭の中のアイデアをテーブルに広げて、ああでもないこうでもないと議論しながら、ユニークでインパクトのある解決策を作り上げていきます。最初は専攻が違う仲間との会話にちょっと緊張していた学生も、だんだん打ち解けて笑い合いながら議論し、気がつけば頼れるチームメイトに成長しています。最後には、野外調査やグループディスカッションで練り上げた解決策を発表し、「自分たちが世界をちょっと動かしたかも?」と思えるほどの達成感が味わえます。この授業を通じて、海の未来を考え、自ら行動できるリーダーへと成長してほしいと願っています。
研究室では、ブルーカーボン、海洋・河川環境、海洋プラスチック、バイオプラスチックといった幅広いテーマに取り組んでいます。どの研究においても、独創性にこだわり、徹底的にデータを集め、分析し、論理的にまとめる力を育てることを大切にしています。卒業後の進路は多岐にわたりますが、研究を通じて得た経験はどの道に進んでも確かな自信と力になると信じています。研究室では、自分自身の研究を深めると同時に、周囲の協力関係を大切にし、共に成長できるリーダーシップを育んでほしいと願っています。そのために、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力、論理的思考、傾聴力など、幅広いスキルを身につけられるよう意識して指導にあたっています。留学生も多く、ゼミは英語で行っています!
共同研究や産学連携への展望
学問の垣根を越えて
海の課題を解決するには、学問分野の垣根を越えた協力が欠かせません。実際に、⽣物地球化学、分子生物学、古環境学など、さまざまな分野の専門家の方々と力を合わせて研究を進めています。現在は大学や研究機関との共同研究が中心ですが、将来的には民間企業との共同研究や産学連携にも積極的に取り組み、社会に還元できる研究をさらに広げていきたいと考えています。
研究概要ポスター(PDF)
関連リンク
キーワード
キーワード1 : ブルーカーボン生態系、海藻、海草、生態系サービス、海藻養殖、LCA、環境負荷、海洋堆積物、同位体比分析、環境DNA分析、年代測定、魚類、耳石、回遊生態、SIMS、IRMS
キーワード2 : 気候変動、脱炭素社会、カーボンニュートラル社会、二酸化炭素削減、沿岸生態系保全、持続的水産資源管理