プロフィール
一般の方へ向けた研究紹介
害虫とただの虫の,自然史研究
私はこれまで,いろいろな害虫やただの虫について自然史や生きざまを研究してきました.現在は,2つの分野に主な関心を置いています.
■ 体サイズに関する,形態学・発生学
昆虫の体サイズがどのように実現・決定されるのか?という疑問に取り組んでいます.昆虫の成虫の体の大きさは,幼虫期間にどれだけ育ったか(だけ!)によって決まります.ですから幼虫期間の育ち具合に関わる要因として,幼虫期の成長量の法則性,幼虫脱皮のタイミング・回数,蛹への変態などについて観察・解析をしています.
■ 形態・DNAを用いた,生物地理学
今までにいろいろな昆虫の地理的変異や系統進化を研究してきました.いま取り組んでいるのは,飛べないカミキリムシの進化です.日本列島で彼らが辿ってきた多様化の歴史を形態・DNA情報から紐解こうと試みています.
教育内容
好奇心を育てて,物事を面白がろう
■ 実験実習・授業
私自身は虫が好きだから虫の研究をしていますが,当然ながら,私の授業に参加してくれる学生たちに虫好きは非常に少ないのです.ですから,私が担当する授業では,昆虫学の基礎を理解してもらうことを必ずしも目標としていません.むしろ,虫に特段の知識・関心(と愛?)を持たないひとが理解しやすいような課題を,そして,先々,植物など昆虫以外の生物を研究するひとでもなにかしら感じてもらえるようなメッセージを,と心がけています.もちろん,根っから虫好きな学生にも楽しい時間になっていると思いますが.
■ 研究教育
大学4年生と大学院で行う卒業研究は,小さな課題でもよいから,他人と違う事柄・まだ解のわからない事柄に取り組むものです.そこで,私は,卒業研究の過程においては,自分オリジナルな好奇心を探そう・育てよう,物事を面白がってみよう,と声を掛けるようにしています.とはいえ,研究生活では,しばしば失敗や予想外の事態に見舞われます.うまくいかない日々こそ,人を育ててくれます.不安と向き合い観察・実験にとりくむ経験を得ることは,人生においてよいことだと考えます.
共同研究や産学連携への展望
いきものをもっと知って楽しむ
私個人は,しばしば「いきもの好き」の観点から,主な研究の課題やアプローチを設定しています.それは,いきものへの愛?や強い関心から始まっているだけではなく,生物の多様性をよく理解するために効果的だと考えるからです.現代では,深刻なスピードで生物の多様性が損なわれつつあります.同時に,こども達をはじめ人々が自然のいきものと関わる機会が減りつつあります.このような時代では,ナチュラルヒストリーを指向する研究・教育はますます貴重なものであり,社会全体のwell beingにもつながるでしょう.もちろん,こども達やいきもの好きな人々の関心を育てることにもなるでしょう.このような思いから,いきもの好きの研究者として活動・発信をしたいと考えています.
研究概要ポスター(PDF)
関連リンク
キーワード
キーワード1 : 昆虫,進化,形態,成長,脱皮,生態
キーワード2 : 生物多様性,個体成長