プロフィール
一般の方へ向けた研究紹介
植物の“かたち”と“はたらき”を情報に変え、社会課題の解決へ
地球温暖化や気候変動に伴う自然災害、持続可能な食料生産の難しさ、農業従事者の減少など、社会は農と環境に関わる多くの課題に直面しています。こうした問題に対応するには、自然や農業の現状を正しく把握し、必要に応じて適切な対策を講じていくことが求められます。
植物は作物として食料生産を支える一方で、自然植生や森林は温室効果ガスや大気汚染物質を吸収し、環境悪化の抑制にも重要な役割を果たしています。環境や農業問題に立ち向かうには、作物や植物群落からなる生態系を“正しく測り、理解する”ことが不可欠です。
私たちの研究室では、ライダーやドローン、衛星といったリモートセンシング技術を活用し、それらのデータを互いに融合することで、作物や植物群落の立体的な構造(かたち)と生理的な働き(はたらき)を同時に捉え、継続的に観測・解析する研究を進めています。さらに、急速に発展するICTやAI(深層学習や生成モデル)、画像処理を導入し、膨大で複雑なデータを効率的かつ高度に解析する手法を開発しています。
これにより、
• 自然植生や森林の健全性評価や炭素循環のモニタリング
• 農業分野における作物の生育診断、収量予測や品質評価
• センサーとAIを融合したスマート農業の推進
といった応用が可能となり、環境保全と農業生産の両立を目指す社会的取り組みに貢献しています。
教育内容
課題を見つけ、データで解決する力を育てる
研究室での学びは、まず課題を見つけることから始まります。環境問題や農業の現場が抱える課題に目を向け、そこに対してICTやAIをどう活かせるかという切り口を考えながらテーマを設定します。次に、学生は自らフィールドに出てサーベイ(現場調査)を行い、センサーやドローンを使ってデータを収集します。現場で得られる実データは、教科書にはない「生きた情報」であり、課題の本質を知るきっかけになります。その後、収集したデータをICTやAIによる情報工学を駆使した解析にかけ、数値や画像情報から新しい知見を引き出していきます。最終的には、得られた成果を農業生産の効率化や環境保全など、社会の課題解決につなげることを目指します。
こうした一連の流れを通じて、学生は「課題を発見し、自分の力で解決に取り組む」実践的な研究能力を身に着けることができます。
共同研究や産学連携への展望
情報工学の応用で、農と環境の未来を拓く
私たちの研究室では、大学の枠を超えて研究所・民間企業・自治体と幅広く共同研究を進めています。共同先は、センサーや解析技術開発を行う民間企業、農地や森林、生態系の観測や調査に取り組む研究機関、そして農業政策や地域資源管理に携わる自治体など、多岐にわたります。
こうしたパートナーとの連携により、研究成果は実証的な場で磨かれ、実際の社会課題の解決へとつながっていきます。たとえば、民間企業と連携したセンサー実証実験を通じて新しい技術の社会実装を進めたり、自治体との協力によって森林資源の健全性評価や農地管理の効率化を支援したりしています。
今後は、多様なセンサーとAI解析といった情報工学を駆使したリアルタイムの農地や植生のモニタリング技術をさらに発展させ、農業・環境の現場におけるスマート化を後押しします。同時に、気候変動や炭素循環といった地球規模の課題にも応用を広げ、研究所・企業・自治体と共に「持続可能な社会づくり」に貢献していきたいと考えています。
研究概要ポスター(PDF)
関連リンク
キーワード
キーワード1 : リモートセンシング、衛星画像、3次元計測、植物群落、作物、森林、画像情報工学、AI、環境モニタリング、スマート農業
キーワード2 : 気候変動、地球温暖化、自然災害、環境保全、持続可能な農業、食料生産