プロフィール
専攻 |
附属牧場
Animal Resource Science Center
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研究室 |
実験資源動物学研究室
Laboratory of animal resource science
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職名 |
准教授 / Associate Professor |
一般の方へ向けた研究紹介
病気もない家畜飼料に薬添加を止めましょう
研究の背景
人類は70年以上渡って、豚、鶏と牛等の家畜に、病気の予防の為に毎日抗生物質・薬を与えて来ました。要は、病気もない動物に毎日抗生物質・薬を与えている事であります。ところで、長年抗生物質・薬を与え続けますと病原菌も抗生物質・薬に耐えて来るようになり、今現在はとんでもない数の耐性菌が出て来ました。即ち、治療薬がない感染病が多く出て来ました。このまま、動物に抗生物質・薬を給与し続けると新の耐性菌が出てくるのでWHOは20年前から同様な給与をしないように注意喚起を行っています。でも、給与しない場合は家畜生産に大きく影響します。生産効率悪くなり、ミルク、肉と卵等値段が高くなります。数十年前から世界中の研究者らは抗生物質・薬代われる添加剤の研究開発を行って来ましたが、未だに抗生物質を代わられる技術、添加剤は見つかっていないです。私達の研究室では、今まで考え方を変え抗生物質・薬を給与しなくても同様な効果があるアミノ酸か植物抽出物を研究開発しています。
研究の内容
私たちの研究室では、抗生物質・薬の役割代わりを担ってもらえられる、又将来的に耐性問題もない代替物を研究調査しています。先ずは種々のバランスアミノ酸投与による健康な家畜を作る事で家畜を感染病から守る方法と、もう一つは植物から抽出したタンニンを用いて、病原菌から家畜を守れる方法等でアプローチしています。新しい添加剤による病気に罹らない、何故かからない、成長に影響あるのか、生体免疫に影響あるのか、飼料は沢山食べてもらえるのか、そして腸内の細菌と寄生虫まで調べています。
今後の展望
我々の研究室は茨城県の笠間市、東京大学農学部附属牧場内に位置しています。当牧場は10年前から我々の研究結果を踏まえ豚の生産には抗生物質が添加されていない飼料のみで飼育しています。要は牧場レベルでは全く抗生物質・薬は全く必要としない技術は研究開発されています。今までの研究は大学の施設で行っていてこれからは実際現場で検証実験を必要不可欠で目指したいです。又、研究結果の普及とタンニンによる抗生物質代替に関するメカニズム、そして腸内の細菌と寄生虫等への効果を研究しています。
教育内容
日本の畜案業も世界のトップへ
教育活動内容
本研究室は、人類の動物蛋白質の摂取の重要性に関して、動物生産バイオテクノロジー、臨床動物栄養学概論、動物のいざない等の講義を通して取り組んでおり、又はその生産過程で発生する問題点と我々の取り組み、研究進捗状況は大学院講義にて共有しています。又、数多くの牧場、特に民間養豚農家と我々の研究結果を共有しながら実践現場での理解と普及に努めています。
人材育成の目標
行政、畜産の教育研究、飼料会社の研究所等
共同研究や産学連携への展望
食品残渣再利用で有機法畜産生産を!
取り組んでいる社会問題
我々の研究では、植物から抽出したタンニンが豚の生産過程で不可欠とされた抗生物質・薬を代替可能であるとの研究結果で証明した。抗生物質か薬の代わりに植物からの抽出物で代替普及には現場での検証実験が必要不可欠と認識しています。
現時点での課題に対する成果物や進捗
添加方法と代替可能としているタンニンの作用機構解明が必須である事で研究を進めています。
今後の進展に適用可能な技術や研究、展望
我々の研究で使われたタンニンの種類は限られておるが、人類社会の食品加工過程では数多くのタンニン含有量が豊富な産廃が出ているので、それらの再利用法を開発し、地球環境に配慮した有機畜産構築に目指したいです。
研究概要ポスター(PDF)
関連リンク
キーワード
キーワード1 : 動物、植物抽出物、タンニン、アミノ酸、豚の下痢
キーワード2 : 持続可能な有機畜産