プロフィール
専攻 |
獣医学専攻
Department of Veterinary Medical Sciences
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研究室 |
実験動物学研究室
Laboratory of Biomedical Science
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職名 |
准教授 / Associate Professor |
一般の方へ向けた研究紹介
3R推進のための動物実験の基盤整備とより忠実な疾患モデル動物の開発
動物実験は、生命医科学研究の発展に大きく貢献してきたことは疑いのない事実ではあるものの、動物の尊い生命の犠牲の上に成り立っています。そのため、3Rの原則(Reduction:使用動物数の削減、Replacement:生体を用いない代替法の取り組み、Refinement:苦痛の軽減やより洗練された実験方法の開発・基盤整備)に則った動物実験の実施を推進する必要があります。そのため、日本実験動物学会や日本実験動物医学会(獣医学会分科会)での活動(主に国内向け)やライフサイエンス関係諸委員会での活動(主に学内)を通じて啓蒙活動を行っています。
また、動物での遺伝子組換え技術を駆使して対象生物(ヒトおよび獣医学領域の動物)の疾患をより忠実に再現する疾患モデルマウスの開発を進めています。そしてこれらを用いて、炎症性疾患や感染症の糖鎖-糖鎖認識レクチン-サイトカイン軸による発症機構の研究、腸内細菌や有用農産物の機能性評価も行っています。
教育内容
実験動物を用いたグローバルで学際的な生命医科学研究
研究室の英語名称はズバリ「Laboratory of Biomedical Science」ということで、1982年の研究室設立以来、実験動物学(Laboratory Animal Science)に軸足を置きつつも、自由度の高い研究を展開しています。そのため、主担当の獣医学領域に留まらず、動物科学、生命工学、薬学など様々なバックグランドを持つ学生が集まっています。なお、大学院生は獣医学専攻(博士課程のみ)と応用動物科学専攻(修士および博士課程)から受け入れ可能です。そして、中国、フィリピンなどのアジアの国々からの留学生が複数名在籍しており、グローバルで学際的な生命医科学研究を進めています。
共同研究や産学連携への展望
様々な疾患モデルマウスを用いた農産物由来有用成分の機能性解析
フィリピン大学ロスバニョス校との国際共同研究として、疾患モデル動物を用いたフィリピン固有種ハリナシバチTetragonula biroi Friese由来プロポリスの機能性解析を行ってきました(Scientific Reports 2019、 Experimental Animals 2023)。また、糖鎖研究の観点から、ガゴメ昆布やユーグレナ由来の多糖類βグルカン摂取による胃がん発症に対する修飾作用についても報告しています(International Immunopharmacology 2018、 Scientific Reports 2021)。分化型胃腺癌自然発症モデルのほか自己免疫や脱毛モデルなど様々な疾患を対象として、これまでの疾患モデル動物の表現型解析の経験を活かして、農産物由来有用成分の機能性解析に取り組んでいます。
研究概要ポスター(PDF)
関連リンク
キーワード
キーワード1 : 発生工学、疾患モデルマウス、炎症性疾患、胃がん、脱毛、プロポリス、糖鎖、レクチン、サイトカイン
キーワード2 : 動物実験適正化、動物福祉問題