プロフィール

鴨田 重裕

鴨田 重裕

KAMODA Shigehiro

専攻 附属演習林 The University of Tokyo Forests
研究室 森林圏生物機能生態学研究室 Laboratory of Forest Ecology and Functional Biology
職名 准教授 / Associate Professor
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一般の方へ向けた研究紹介

エネルギーの森作り

エネルギーの森作り・国産カカオの森作り・伝統工芸を守る森作り・森林と林業を考える教育プログラム作りに取り組んでいます。
ここではエネルギーの森作りについて紹介させていただきます。我が国は戦後の森林資源不足に際して、真面目に森林作りに勤しんで参りました。その結果として全国土面積の1/4がスギ・ヒノキ・カラマツなどの針葉樹人工林となっています。これらの樹種は建築用材とすることを目的として植樹されましたが、人口減少・住宅着工数減少の局面にあっては、別の目的の森作りがもっと意識される必要があります。翻って俯瞰すれば、我が国は慢性的なエネルギー不足の国で、さらに言えば古くから森林を薪炭利用してきた歴史もあります。また、建築用材とリンクする従来の林業はうまく回すことが難しいという現状を無視することはできません。エネルギー利用するのであれば、光合成能力に優れるユーカリ属樹木はもっと着目されるべきです。ただし、ユーカリ属には種数が800もあるので、地域に適したユーカリ種を見定めるところから始めなければなりません。今、千葉県富里市界隈において企業に協力する形でユーカリの実効性を検証する試験を進めています。

教育内容

森林と林業を考える教育プログラム作り

前期課程の東大生に日本林業の今後の展望を尋ねると、利益を出せない以上は林業が停滞するのはやむを得ないと、涼しい顔をして大人の意見を言うばかりです。「林業が難しい」と現況を端的に表現すれば、入学試験ならば満点を狙えそうです。しかし、大学生となった今、そう片づけてしまえば、何も始まりません。
私が担当する全学ゼミでは、①国土面積のおよそ 4 分の 1 がスギ・ヒノキ・カラマツといった針葉樹人工林であること、②林業以外に人工林を管理する手段がないこと、③人工林は管理しないと劣化が進むこと、④森林の劣化が進めば水源涵養機能が失われ、人が住めなく可能性が高まることを提示して、今森林で起こっていることを自分事として捉え、自分の頭で考え、考えを交流させ、議論する「場」を提供して来ました。当ゼミの約束事は、まず自分がまじめに取り組むことと、まじめに取り組んでいる人を茶化さないこと、そして他の学生の意見は否定せずにしっかりと聞き合うことです。総合大学の学生にまじめに体験に取り組み人の話を茶化さずしっかり聞き合うという「場」を与えますと、学生間に化学反応の様なものが起り、熱く語り出します。(私の森作りの話も少し聞いてくださいね。)

共同研究や産学連携への展望

国産カカオの森作り

国産カカオの森作りをしませんか。カカオ生産では森林伐開や労働力の搾取などブラックな話題をよく耳にします。その一方で、あまりフェアトレードが浸透しないのは、どこか他人ごとの話になってしまうから。学生と話すと、フェアトレードの大切さは分かるけれど、学生の身としては安い商品に流れてしまうという声をよく耳にします。国産カカオの森作りには夢があります。というより夢の話しかありません。
今、私たちはどこでどの様に育てられたか分からない様なカカオを口にすることがほとんどです。国産化が進めばこれは小笠原産でこっちは南伊豆産だといったように生産者の顔まで分かるようになります。消費者は自分が口にするカカオをトレースすることが可能になります。生産する当事者と消費する当事者との結びつきは、大量生産大量消費の経済活動によってすっかり失われましたが、カカオにはそれを取り戻すきっかけを作るかも知れません。国産化できれば、発酵のステップとも向き合うことになります。日本で色々なアイデアを発酵に持ち込めば、カカオの可能性はもっと広がるはずです。 温泉などの熱源があれば、どこでも国産カカオを目指せますよ。

研究概要ポスター(PDF)

キーワード

キーワード1  :  植物、動物、二次代謝物、代謝酵素
キーワード2  :  獣害問題、林業再生