プロフィール

加藤 由悟

加藤 由悟

KATO Yugo

専攻 応用生命化学専攻 Department of Applied Biological Chemistry
研究室 分析化学研究室 Laboratory of Analytical Chemistry
職名 助教 / Assistant Professor
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一般の方へ向けた研究紹介

生き物の元素はどこへ?

私たち生物は主に水分と有機物から成り立ち、主要な元素として水素・酸素・炭素・窒素が挙げられます。これら4つで大半を占めますが、実際にはより多様な元素が体を形作っています。例えばヒトを含む脊椎動物は、リン酸カルシウムからなる骨格を持ちます。軟体動物の貝は炭酸カルシウムからなる殻を持ちます。微生物の中にナノサイズの鉄の鉱物を作ることでコンパスのように利用している細菌もいます。
私はこのような元素が、生物のどこに存在し、どのように集められているのかを研究しています。この研究は、生命の理解を深めるだけでなく、生物の仕組みを模倣した新技術の開発にもつながります。

教育内容

じっくり「見る」

私の研究では、顕微鏡による染色画像、電子顕微鏡の画像、元素を可視化したマッピング画像など、さまざまな種類の「画像データ」を扱います。画像は視覚的に「映える」ため、それだけで満足しがちですが、重要なのはそこに表れている信号が何を意味しているかを解釈することです。 サンプルの前処理は適切だったのか? 本当に生物や材料の状態を反映したデータなのか? 思い込みで解釈していないか? こうした視点を常に問い直しながらデータを分析する姿勢が欠かせません。
教育においても同じことが言えます。見た目の派手さや一時的な成果にとらわれず、数値や画像に潜む意味を「じっくり考える」ことを重視しています。実験やデータ解析の授業では、学生が自分自身の目で確かめ、問いを立てながら研究に取り組む力を育てています。

共同研究や産学連携への展望

炭素固定先としての炭酸カルシウムとその価値向上

現在、私たちの研究室では、生物が硬組織を形成する現象(バイオミネラリゼーション)に倣い、二酸化炭素を炭酸カルシウムとして沈澱させる炭素貯留に取り組んでいます。生物は有機物を利用して効率的に炭酸カルシウムを合成しますが、その仕組みを模倣することで、環境負荷の小さい炭素固定技術を開発できると期待されます。
生物の作る炭酸カルシウムは微量元素を含むことや特異な形態をとることといった特徴があります。生物を模して、無機的な方法で合成された炭酸カルシウムとは異なる特徴を持つ炭酸カルシウムを合成することで、脱炭素社会の構築やカーボンニュートラル実現に貢献だけでなく、付加価値の高い素材の開発にもつながります。

研究概要ポスター(PDF)

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キーワード

キーワード1  :  分析化学、生物無機化学、バイオミネラリゼーション、炭酸塩生物、金属ナノ粒子、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、貝、骨、微生物
キーワード2  :  気候変動、脱炭素、持続可能な資源利用