プロフィール

佐藤 赳

佐藤 赳

SATO Takeshi

専攻 農学国際専攻 Department of Global Agricultural Sciences
研究室 国際環境経済学研究室 Laboratory of International Environmental Economics
職名 准教授 / Associate Professor

一般の方へ向けた研究紹介

農学部(環境系)の経済学

 私自身は、ほかの先生方と異なりあまりたいしたことはしておりません。地図アプリで目的地に行ったり、古いカーナビで狭い路地に通されたり、天気アプリで出かける計画を立てたり、雨が通り過ぎるのを待ったりと、GPSや気象の衛星データを活用することは、皆さんにとって当たり前になっていると思います。それと同じことを環境や農業の経済について行っています。
 少しだけ言葉を変えると、衛星画像解析による土地被覆分類やNDVIの算出、気候や土壌データの活用、地理空間情報分析による経路の抽出や事物の空間的自己相関検出などを行い、それを家計調査や行政界単位の経済統計やアンケート調査、そして因果推論などの手法と組み合わせて経済分析をしています。農学の知見を大事にしながら、実証的な経済分析を行うことが、社会福祉や持続可能な発展に貢献すると信じているためです。

教育内容

環境や食料にぜひ興味を

 授業は、環境経済学や統計学を担当しています。初年次ゼミや専修の個別実習では、GISやリモートセンシングのソフトウェアについて、ハンズオン形式の学ぶ機会を作っています。GISの使い方など、内容の一部は動画にしてYouTubeにアップしています。環境と経済について、経済的な効率性も重要ですし、公害などの倫理的な側面について考えることも大切だと思います。私が所属する国際開発農学専修/農学国際専攻は、国際的で多様な、課題指向型の組織です。皆さんに、“無視できるもの”を捨象する強さと、それを言語化し尊重する優しさの両方を培っていただくことを目標に努力しています。
 研究室では、食品や環境に関する選択実験なども数多くテーマにしています。農学国際専攻を中心に、多くの先生と共同研究させていただいています。昔は、私は人付き合いと睡眠を削ってデータ構築から経済分析まで自力で行うことで得意になっていたのですが、その後、手が回らず挫折し、今では学生の皆さんの手も借りながら一緒に研究しています。もちろん、特定の分野に限らず、環境や農業に関わる皆さんの関心を幅広く支援します。

共同研究や産学連携への展望

熱圏から食卓まで

 研究対象は食品需要、食品表示、水稲や畑作、酪農、土地利用や農村計画、協同組合組織、衛星画像解析など、調査は海外では中国やエジプトなど、国内では北海道や山形、鹿児島、沖縄などの亜熱帯で行った経験があり、経済分析、統計解析、機械学習による分析やシミュレーションなどを幅広く行っています。

研究概要ポスター(PDF)

キーワード

キーワード1  :  計量経済分析、GIS、リモートセンシング、選択実験、食品需要、空間統計
キーワード2  :  農業と環境、食料生産と消費、気候変動、圃場分散