プロフィール
| 専攻 |
農学国際専攻
Department of Global Agricultural Sciences
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| 研究室 |
国際農業開発学研究室
Laboratory of International Agricultural Development
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| 職名 |
助教 / Assistant Professor |
一般の方へ向けた研究紹介
高温・乾燥ストレスに耐えられる植物の特徴・栽培方法を探す
今後も続くと予想される気候変動による高温・高湿度による光合成の低下、乾燥による水不足により、コムギ、ダイズ、ビールホップでそれぞれ最高で約30、20、20%の減収が21世紀後半までに見込まれています。そこで、気候変動に対応した新規ストレス耐性品種開発、持続可能な栽培方法の確立を目的とした研究、また研究を通じた学生への教育・人材育成による社会貢献に波及する活動が、私たち研究者に求められていると考えています。実際に穀物、農産物の栽培品種は遺伝的多様性を失っており、自然の多様性や病害虫への抵抗力も低下し、環境変化への適応力が弱まっています。そこで、野生種や在来種由来の耐性遺伝子を含む系統と栽培品種を交配した新品種構築が望まれています。私たちは、交配した集団から耐性に起因する特徴を探し出しています。具体的には、二酸化炭素を取り込む気孔は、光、日中の時間、乾燥ストレスなどの外的要因で開閉調節します。開度は系統間で違いが存在し、結果的に水分要求量なども異なります。この特徴を捉えるべく、植物ホルモンを中心とした代謝物解析、元素分析、気孔写真の画像解析を行なっています。現時点で、実験室のような単一ストレスを検証する場所では、気孔開閉は気孔コンダクタンス測定や画像解析で確立しつつあります。一方で、屋外のような多環境に応じて安定した形質とまでには至っていません。今後は栽培方法とのマッチングを中心に屋外環境での環境試験を行い、実際の農業に結びつける研究を行なっていきたいと思っています。
教育内容
イニシアティブが取れる人材を目指し、学術・産業のどちらにおいても自主的に動ける経験豊かな人材輩出を目指します。
理学部的な科学的好奇心に加えて、農学部では更に農学に貢献した教育・研究を提供することをモットーに講義や実習を行なっています。特に私は植物の非生物学的ストレス応答の研究、研究内容の紹介を行うことで、悪化している気候変動に対応した農業手法の確立に貢献する人材育成を目指しております。卒業後は広範囲をカバーできるイニシアティブが取れる人材を目指して欲しいです。そのために、大学にいる間は失敗を恐れず、失敗から学び、失敗のカタログを作り、トラブルソリューションが出来る人材になって欲しいです。指導歴として、米国大学院院生在籍時より後輩指導を行い、その際はラボワーク(特にmolecular work)が出来るように人材育成に貢献しました。結果、殆どの学生がラボワークに関連する職や医学部進学などの進路についております。日本帰国後は、ポスドク、助教などで多くの学生研究(コムギの休眠、高温応答反応、ダイズの耐乾燥性を調べるゲノミクス、フェノミクスなアプローチ、イネの鉄過剰ストレスなど)に関わってきました。修了生は官公庁・企業などへの就職や大学・研究機関で教員・研究員として活躍しています。
共同研究や産学連携への展望
産学連携によって、高温・乾燥ストレスの複合ストレスに頑強な系統を作りたいです。そして、良い人材を産業界に輩出したいです。
気候変動により、コムギ、ダイズ、ビールホップで最高約20~30%の減収が21世紀後半までに見込まれています。気候変動に対応した新規ストレス耐性品種開発、持続可能な栽培方法の確立を目的とした研究、また研究を通じた学生への教育・人材育成による社会貢献に波及する活動が、私たち学術機関の教員・研究者に求められていると考えています。私の研究では主に高温・低温の温度ストレス・乾燥ストレスに関する植物応答や耐性に関わる研究に携わってきました。一般的に、このような研究は主に人工気象器などの屋内実験で行うことが多いですが、現在はより実際の農業環境に近い屋外環境で育てた植物を用いることで、屋外での複合ストレスに応答した遺伝子発現、代謝物、元素レベルでのオミックス解析と生理学的な応答(気孔開閉など)、収量性との関係に着目した研究を行なっております。特に産学連携を意識した研究を主としておりますので、ストレス応答や未利用遺伝資源を用いた耐性系統の作出などの研究を共同で行えればと思っております。
研究概要ポスター(PDF)
関連リンク
キーワード
キーワード1 : 植物生理学、育種、作物、温度、乾燥、コムギ、ダイズ、ホップ、イネ、シロイヌナズナ
キーワード2 : 気候変動、地球温暖化、食糧問題、サステナビリティ、品種開発、収穫量、品質向上