プロフィール

米澤 遼

米澤 遼

YONEZAWA Ryo

専攻 シグナルペプチドーム研究社会連携講座 Signal Peptidome Research and Community Collaboration Course
研究室 シグナルペプチドーム研究室 Signal Peptidome Research Laboratory
職名 特任助教 / Project Assistant Professor
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一般の方へ向けた研究紹介

新たな生命現象を追い求めて

 私たちは、真核生物が放出する200 nm以下の微小な小胞(エクソソーム)が細胞間で情報交換(細胞間コミュニケーション)を行う生命現象に着目しています。エクソソームは基本的に組織・細胞内で活用されているという生命現象が通説ですが、私たちは水圏生物の特徴・特性から、エクソソームが組織内に限らず水圏環境に放出されていると考えました。そこで私たちは水圏環境から水を採水し、エクソソームサイズが分画されるようにろ過を行い、限外ろ過という方法で濃縮を行い、水圏環境中の小胞を得ることに成功し、私たちはこの新しい生命現象を「環境エクソソーム」と呼ぶことにしました。この環境水中のエクソソーム(環境エクソソーム)から核酸解析を行えることが分かりましたので、水中にある小胞が水圏生物にどのような影響があるか、またその役割は何かという新たな生命現象を明らかにしたいと思っております。

教育内容

水圏生物学×分子生物学

 私は水圏生物を遺伝学の観点から研究を行いたいと思い、大学院進学をしました。水圏生物の中にもモデル生物(研究によく用いられる生物;ヒト(細胞)・マウス、水圏生物の場合:メダカ・フグなど)はいますが、多くの生物は非モデル生物で特に無脊椎動物の分子生物学に関する研究事例は限られています。しかし、無脊椎動物は脊椎動物とは異なる特徴を持つため、未知の発見があります。研究紹介で示した環境エクソソームはまさに未知の発見であり、これから更なる展開を目指す分野です。エクソソームは細胞間コミュニケーションに関わることから、水圏環境では個体間ひいては生物間のコミュニケーションに関与していると私たちは考えています。この研究は核酸解析を行うためのバイオインフォマティクスや分子生物学的実験を研究室で行うだけでなく、環境水が必要となるため、養殖の現場や野外調査などを行っております。そのため、研究室で最新の分子生物学を学ぶ教育だけでなく、農学のフィールドを知る・感じる・学ぶ教育を目指しております。

共同研究や産学連携への展望

エクソソームが新たな環境指標となるか?

 既存の研究方法では見過ごされていた微小な小胞;エクソソームから生命情報を取得し、環境中に生息する生物をモニタリングする新技術の確立および“水圏生物はエクソソームを介して、様々な情報を交換する個体間コミュニケーションを行う”という生命現象の証拠を見出すことを目指しています。本手法が確立した場合、従来法では難しかった環境中の生物の生理学的な生命情報を得ることが可能になると考えており、養殖の現場や環境評価に利用できる新たな技術となると考えています。現段階では、生物がエクソソームを環境中に放出していること、そのエクソソームから核酸解析を実施できるという点が分かりました。今後は、この生命現象にどのような生理学的意義があるのかを明らかにしたいと考えております。

研究概要ポスター(PDF)

キーワード

キーワード1  :  動物、無脊椎動物、水圏生物、細胞外情報、遺伝子解析、小分子RNA
キーワード2  :  環境問題、水圏環境