生態系と生物多様性は、私たちの暮らし・社会・経済を根本から支える基盤であり「自然資本」と言われます。森林や草原、河川や湿地、干潟や藻場、農地や都市緑地といった多様な生態系と、それらの生態系に成立する生物多様性は、物質生産や栄養循環、水循環といった生態系の機能を絶えず発揮しています。この自然資本は、地球の長い歴史を通して蓄積されたストックであり、人類の生存を可能にしています。自然資本から、私たちの暮らしや経済に直結する多様な「生態系サービス」のフローが生み出されます。しかし、生態系と生物多様性は、過去数十年の間に急速に劣化し損失してきました。生態系と生物多様性を回復傾向の軌道に乗せるために、さまざまな取組みが進んでいます。私たちは、自然と共生する持続的な社会の実現に学術の面から貢献すべく、下記の2つの視点から研究を進めています。
① 自然がもたらす多様な恵みの理解と実社会での活用
自然がもたらす多様な恵みをグリーンインフラや自然を活用した解決策 (NbS)の視点から学際的に評価し理解するとともに、地域の多様な関係者と協働して具体的な保全・再生を実践する超学際研究を進めています。
② 生物多様性や生態系機能に対する人間活動の影響と効果
湖沼や水田の生態系などにおいて、富栄養化・生息地改変・外来種侵入などの人間活動による影響や、自然再生などの生態系管理がもたらす効果を評価するため、生態学の研究を進めています。