発表者
市橋 泰範(理化学研究所 バイオリソース研究センター 植物-微生物共生研究開発チーム チームリーダー)
佐藤 匠(理化学研究所 バイオリソース研究センター 植物-微生物共生研究開発チーム 特別研究員)
熊石 妃恵(理化学研究所 バイオリソース研究センター 植物-微生物共生研究開発チーム テクニカルスタッフ)
伊達 康博(理化学研究所 環境資源科学研究センター 環境代謝分析研究チーム 研究員:研究当時)
篠 阿弥宇(理化学研究所 環境資源科学研究センター 環境代謝分析研究チーム テクニカルスタッフ:研究当時)
清水 智子(理化学研究所 環境資源科学研究センター 環境代謝分析研究チーム テクニカルスタッフ:研究当時)
菊地 淳(理化学研究所 環境資源科学研究センター 環境代謝分析研究チーム チームリーダー)
柴田 ありさ(理化学研究所 環境資源科学研究センター 植物免疫研究グループ テクニカルスタッフ)
白須 賢(理化学研究所 環境資源科学研究センター 植物免疫研究グループ グループディレクター)
林 誠(理化学研究所 環境資源科学研究センター 植物共生研究チーム チームリーダー)
梅澤 明夫(理化学研究所 環境資源科学研究センター 生体機能触媒研究チーム テクニカルスタッフ:研究当時)
中村 龍平(理化学研究所 環境資源科学研究センター 生体機能触媒研究チーム チームリーダー)
小林 誠(理化学研究所 環境資源科学研究センター 統合メタボロミクス研究グループ テクニカルスタッフ)
二瓶 直登(福島大学 食農学類 農業生産学コース 准教授)
Martin O`Brien(東京大学大学院農学生命科学研究科 特任准教授)
田野井 慶太朗(東京大学大学院農学生命科学研究科 教授)
草野 都(筑波大学 生命環境系 教授)
    (理化学研究所 環境資源科学研究センター 統合メタボロミクス研究グループ 客員主管研究員)
神村 麻友(長浜バイオ大学 バイオサイエンス学部 助教)
蔡 晃植(長浜バイオ大学 バイオサイエンス学部 学長、教授)
舟橋 史晃(ベジタリア株式会社 エキスパート:研究当時)
山崎 浩平(ベジタリア株式会社 マネージャー:研究当時)
若山 健二(ベジタリア株式会社 部長:研究当時)

発表概要


植物-微生物-土壌の複雑なネットワークをデジタル化

 理化学研究所(理研)バイオリソース研究センター植物-微生物共生研究開発チームの市橋泰範チームリーダー、環境資源科学研究センター環境代謝分析研究チームの菊地淳チームリーダー、同植物免疫研究グループの白須賢グループディレクター、福島大学食農学類農業生産学コースの二瓶直登准教授らの共同研究グループ※は、農業生態系における植物-微生物-土壌の複雑なネットワークのデジタル化に成功し、これまでは熟練農家の経験として伝承されてきた高度な作物生産技術を科学的に可視化できるようになりました。
 本研究成果は、化学肥料に頼らず有機態窒素を活用することで、持続可能な作物生産が可能であることを示しており、環境共存型の新しい農業に向けた持続的な作物生産の実現に貢献すると期待できます。
 今回、共同研究グループは、農業現場でのマルチオミクス解析により農業生態系のデジタル化を試みました。結果、農業生態系は作物が示す特定の形質(収量や品質など)と特定の微生物種や土壌成分で構成されたモジュール[2]が複数組み合わさってネットワークを形成していることが明らかになりました。また、有機農法の一つである太陽熱処理により植物根圏に特徴的な細菌叢が形成され、土壌中に蓄積する有機態窒素が作物の生育促進に関与していることが見いだされました。さらに、同定した土壌有機態窒素のうちアラニンとコリンが、窒素源および生理活性物質として作物生育を促進することが証明されました。
 本研究は、科学雑誌『Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(PNAS)』の掲載に先立ち、オンライン版(6月8日付:日本時間6月9日)に掲載されます。
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発表雑誌

雑誌名
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
論文タイトル
Multi-omics analysis on an agroecosystem reveals the significant role of organic nitrogen to increase agricultural crop yield
著者
Yasunori Ichihashi, Yasuhiro Date, Amiu Shino, Tomoko Shimizu, Arisa Shibata, Kie Kumaishi, Fumiaki Funahashi, Kenji Wakayama, Kohei Yamazaki, Akio Umezawa, Takumi Sato, Makoto Kobayashi, Mayu Kamimura, Miyako Kusano, Fang-Sik Che, Martin O`Brien, Keitaro Tanoi, Makoto Hayashi, Ryuhei Nakamura, Ken Shirasu, Jun Kikuchi, Naoto Nihei
DOI番号
10.1073/pnas.1917259117