沖縄本島東海岸で新種サンゴを発見 ――リュウキュウサンゴと命名!――
発表概要
一般財団法人沖縄美ら島財団 総合研究所(沖縄県本部町)と、東京大学の共同研究グループは、平成25年に沖縄美ら島財団が実施した深海生物調査において採集されたサンゴ標本が、新種であることを明らかにしました。調査結果は2025年8月7日付で日本動物分類学会英文誌「Species Diversity」に掲載されました。
研究概要
平成25年に沖縄美ら島財団が実施した調査で、一点のサンゴ標本が採取されました。標本は同財団総合研究所と東京大学 大学院農学生命科学研究科にて共同で調査を行い、これまで知られていない種類であることが判明しました。
当該標本は筒状に伸長するポリプ(サンゴ個体)を持つ特徴があり、また遺伝子による分析からもミゾサンゴ属(Hemicorallium属)の一種であることが分かりました。また、①一平面上に規則的に広がる枝の分岐、②共肉とポリプの色、③組織内の骨片の大きさや形が、これまでに記録されているどの種類とも異なっており、新種であることが判明しました。
今回のサンゴ標本が発見されたのは沖縄本島東海岸水深860mで、赤い色や整った枝ぶりが美しいことから、「リュウキュウサンゴ(学名:Hemicorallium ryukyuense)」の名がふさわしいのではとの思いからこの学名と和名を提唱しました。

リュウキュウサンゴ Hemicorallium ryukyuense
発表雑誌
雑誌名:Species Diversity
論文名:A New Species of the Genus Hemicorallium (Cnidaria: Octocorallia: Scleralcyonacea: Coralliidae) Collected from Okinawa Island
著者名:野中正法1、髙田健司2、安田仁奈2
(1一般財団法人 沖縄美ら島財団 総合研究所)
(2国立大学法人 東京大学 大学院農学生命科学研究科)
代表研究者
野中 正法(のなか まさのり): 一般財団法人沖縄美ら島財団総合研究所 統括 専門は八放サンゴ類の分類学、生態学
お問い合わせ
一般財団法人 沖縄美ら島財団
調査企画広報課 仲榮眞 松堂
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