当研究科 生物材料科学専攻の 磯貝 明 教授が日本学士院賞を受賞されました。日本学士院賞は明治43年に創設され100年以上の歴史を誇り、 学術上特に顕著な研究業績に対して与えられる賞であり、ノーベル賞受賞者が多数名を連ねる我が国で最も権威ある学術賞のひとつです。

<日本学士院賞 受賞理由>
研究題目:植物由来の完全分散化セルロースナノファイバーに関する研究

磯貝明教授は、大気中の炭酸ガスの固定化物として植物中に蓄積されているセルロース化学の基礎研究を進めました。その結果、水系・常温・常圧での触媒反応を用いることで、どの陸上植物からも3ナノメートルと超極細均一幅で、水中で完全分離分散した新規セルロースナノファイバーの調製方法を見出し、その分散化メカニズムと表面ナノ構造を明らかにしました。

本セルロースナノファイバーの特異的構造と特性に基づき、高強度、高酸素バリア性、超低線熱膨張率を有する機能材料に変換でき、また、他の材料や機能性素材と複合化することで、高性能複合材料が得られます。本研究成果と国内外の共同研究を通じて、磯貝教授は世界のナノセルロース関連の学術分野を先導しています。

再生産可能なセルロースナノファイバーの質的・量的利用の拡大は、循環型社会基盤の構築、地球温暖化防止に貢献が期待されます。既に、企業による本セルロースナノファイバーの本格生産が開始され、実用化・製品化が進められています。 

http://www.japan-acad.go.jp/japanese/news/2019/031201.html#007
 

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