社会連携リエゾンオフィス・第4回シンポジウム開催報告
農学生命科学研究科は、11月27日(水)15時から農学部フードサイエンス棟中島董一郎記念ホールにおいて、「社会連携リエゾンオフィス・第4回シンポジウム―生きものの力で社会を変える」を開催しました。
当日は、講演会と懇談会に分けて実施し、講演会では、中嶋康博農学生命科学研究科長の挨拶から始まり、岩田忠久農学生命科学研究科副研究科長/社会連携リエゾンオフィス長からの、更なる社会との連携を促進するための組織体制の現状と、合わせて研究者と連携を推進するための仕組みの一助として、本研究科HPで提供している「研究者カタログ」の紹介を行いながら、更なる連携促進についての説明を行いました。
続いて、イベントの前半の特別講演として、八木信行農学生命科学研究科農学国際専攻教授から、「農業と食料をめぐる国際課題ー研究者はどう対応できるのかー」と題して講演を行いました。日本の農業における喫緊の課題である、若者の都市への流出、後継者難、耕作放棄地の増加(特に棚田)、また水産業でも漁場の空きの増加や海外から輸入量増加など、様々な問題に直面しており、政府からは農林水産業関連の補助金が増加する中、「農学栄えて、農業廃る」の現状をどの様に打破するかを世界農業遺産というキーワードに基づいて講演を行いました。講演後は、当イベントの定番プログラムである若手研究者によるリレー講演の第1部として、10名の研究者が凡そ5分で、自身の研究を魅力溢れる言葉で発表を行うと共に、今後企業との連携を意識したアピールタイムとなりました。
10分の休憩を挟んで、イベントの後半の特別講演として、武内ゆかり農学生命科学研究科動物医療センター長/教授から「動物医療センター(VMC)との社会連携や共同研究ってどういうもの?!」と題して、現在行っている自身の研究内容の講演と共に、企業との連携を図るための具体的な複数テーマを提案しながら、どの様なスキームで産学連携が可能か、具体的な方法を示しての講演が行われました。イベントの最後のパートとして、残りの若手研究者9名によるリレー講演が実施され、本研究科の特徴である、社会科学から自然科学にわたる広範な学問分野の講演が、熱っぽく行われました。
また、イベント閉会挨拶に関して、信夫隆生農林水産省 農林水産技術会議事務局研究総務官から頂戴し、現在の農林水産省における現在の取り組みと合わせて、今後企業における新規事業にかかる市場の規模感など、農林水産における企業活動の現状を対面で把握したいとの希望などを述べて、講演会は大成功のうちに幕を閉じました。
講演会後、場所をアグリカフェに移して、参加者同士による本研究科とどの様な連携が可能か今後の関係構築に向けた活発な話し合い等、充実した懇談会となりました。ご参加された企業から、「研究者の熱量や本気度に触れることが出来たことが何よりも有益だった。」、「新規事業の参考になった。」や「自社の技術開発の加速に向けて参考になる研究分野があって良かった。」など、大変前向きなご意見を頂戴いたしました。
なお、講演会場参加者は、特別講演者2名やリレー講演者19名を含め80名、ZOOM参加者104名と実施担当職員11名を含めて計195名となりました。
社会連携リエゾンオフィスは、本研究科における社会との対話を活発にし、企業等からの照会に迅速かつ的確に対応する責務を担っております。当研究科との連携にご興味がありましたら、当オフィスにお気軽にご連絡願います。
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東京大学大学院農学生命科学研究科・社会連携リエゾンオフィス
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