プロフィール
専攻 |
応用動物科学専攻
Department of Animal Resource Sciences
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研究室 |
応用遺伝学研究室
Laboratory of Applied Genetics
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職名 |
助教 / Research Associate |
一般の方へ向けた研究紹介
生命をつなぐ神秘を解き明かす
我々の体内にある生殖細胞は、卵子や精子の形成を通して、次世代に生命を伝える唯一の細胞です。卵子や精子の形成過程では、減数分裂によって遺伝情報を含む染色体を半分にすることが、その後の受精や胚発生に必要です。
私たちは発生工学や遺伝子工学などの技術を駆使して、減数分裂の基礎メカニズムとその性差や種差の解明を目指しています。これらの研究により、不妊症の原因究明や、生殖補助医療や避妊薬の開発、さらには動物や家畜繁殖への貢献が期待されます。
教育内容
好奇心を大切に一つ一つの発見を楽しむ
卵形成や精子形成は、動物個体の発生・分化・性成熟に伴い、卵巣や精巣の中でおこります。卵巣内の卵とは異なり、精巣内ではほぼ生涯を通して周期的に減数分裂が誘導され、精子が生産されています。
私たちは主にマウスやブタをモデルとし、特に精子形成の周期性や恒常性がどのように維持されているかに着目しつつ、減数分裂の性差・種差や妊性への影響について解析を行っています。
生命科学分野における最新の動向に触れつつ、知識や実験手法を身につける上で、農学や生命科学に親近感をもったり、「人類が抱える諸問題の解決に自身も貢献したい」という意欲に繋がる研究教育を心がけています。
共同研究や産学連携への展望
効率的な動物生産や不妊症の原因究明を通して、人々の健康と心豊かな暮らしを
ウシやブタを含む畜産動物では、繁殖障害として、雄の精子の数や質の低下が知られ、雌の受胎率低下のリスクとして認識されています。また、精巣内の精子の元になる精原細胞を体外移植して機能的な精子を作製する技術が魚類・鳥類から哺乳類まで開発が試みられており、この技術を用いることで、遺伝子資源の凍結保存、遺伝子改変個体の作製、および効率的な動物生産といった種々の応用が期待されます。
ヒトでは、不妊症は社会的要求の高いテーマであり、国内の不妊に悩むカップルは約5組に1組と推定されます。不妊症の約半数は男性側に起因し、主な原因として精子形成の障害や、減数分裂に起因する染色体異常が知られます。また近年の晩婚化を背景に、男性の加齢による精子や妊よう性への影響も注目されています。
モデルマウスやブタを用いて、減数分裂や精子形成が成り立つ仕組みを明らかにすることで、畜産業への応用や、不妊症の治療法開発など、人類の健康・福祉への貢献を目指しています。
研究概要ポスター(PDF)
関連リンク
キーワード
キーワード1 : 動物、生殖細胞、精子、卵子、受精、発生、幹細胞、減数分裂、発生工学、実験動物学
キーワード2 : 食料問題、家畜繁殖、遺伝資源の保存、晩婚化、不妊症、生殖補助技術、避妊薬