プロフィール

関澤 信一

関澤 信一

SEKIZAWA Shin-ichi

専攻 獣医学専攻 Department of Veterinary Medical Sciences
研究室 獣医衛生学研究室 Laboratory of Veterinary Pathophysiology and Animal Health
職名 准教授 / Associate Professor

一般の方へ向けた研究紹介

呼吸・循環は神経性に支配されて・・・

 私達が生きていくために呼吸循環器系は必須不可欠なものですが、それを制御する神経機構について、特に、肺・気道・心臓、血管からの感覚情報が中枢へと伝達されるメカニズムについて解明を試みています。これらを理解し、その知見を蓄積することで、喘息や鼻アレルギーなどの呼吸器疾患、高血圧や不整脈等の循環器病態に対する神経機構への介入が、治療や病態改善へのヒントになるのでは、と考えているわけです。獣医師として獣医学研究の経験を背景に、具体的には、ヒト以外の動物を対象として、テレメトリーシステムを用いた血圧や心電図の測定、パッチクランプ法を用いたニューロンの細胞膜を通過する電流の測定など、電気生理学と呼ばれる手法を用いた研究を行っています。例えば、代謝型グルタミン酸受容体作動薬の延髄背側部への持続投与が、高血圧症の発症抑制に大きく貢献することを明らかにし、ヒトの生活習慣病への治療介入に役立つ可能性を示してきています。

教育内容

動物の呼吸をコントロールできますか?

 「どうして、どうやって呼吸しているのか、心臓を動かしているのか」、獣医学領域における呼吸循環器系の生理学を専門分野としています。「動物が健康でいるためには(人間は動物に対して)何をしてあげればよいか」を問う動物衛生学や、「どういうモノが体のどの部分に悪さをするのか」を問う毒性学についての講義も行っています。学科として、獣医師の育成はもちろんですが、将来の日本における獣医学を牽引していこうと志す学生・院生を手助けしていきたいです。個人的には、海外での研究生活も10年以上経験し、また、日本の規制官庁における経験も4年以上有していますので、これら経験をみなさんと共有し、視野を広げる役に立てればと考えています。なお、所属する研究室の卒業生は、大学院進学の他、国家公務員、獣医師、製薬企業、食品メーカーなど多岐にわたっていますが、各個人の希望に沿った教育を心掛けています。

共同研究や産学連携への展望

足りない部分を「パッチ」しましょう!

 一般の方向けに記載した研究テーマの他に、馬を用いた研究にも携わっており、特に、馬の呼吸管理や脚部状態の把握を非侵襲的にできないか検討しています。馬における非侵襲的な手法による自律神経制御法の開発も考えています。馬以外にも、シバヤギやブタ、ウサギ、モルモット、ラット、ハムスター、マウス等、様々な動物種を用いた比較生物学的な研究実績も豊富です。また、特徴でもある電気生理学的手法は、現在ではそれを実施することのできる研究室が非常に限定されるようになってきており、例えば、単一神経線維からの神経活動の記録や、神経細胞(ニューロン)に対してパッチクランプ法を用いた電気生理学的記録など、高度なテクニックを用いた研究ができる点はアピールポイントでもあります。今後、以前研究職に就いていたカリフォルニア大学デイビス校とも連携する予定であり、コラボレーションしながら研究を発展させていこうと考えています。是非、ご一緒に!

研究概要ポスター(PDF)

キーワード

キーワード1  :  神経生理学、神経性疾患、呼吸、循環、心臓、血圧、鼻アレルギー、咳、くしゃみ、反射、安全性薬理、ウマ、テレメトリー、電気生理学、パッチクランプ、ほ乳類
キーワード2  :  健康、生活習慣病、大気汚染