プロフィール

藤井 壮太

藤井 壮太

Sota Fujii

専攻 応用生命化学専攻 Department of Applied Biological Chemistry
研究室 生物有機化学研究室 Laboratory of Bioorganic Chemistry
職名 准教授 / Associate Professor

一般の方へ向けた研究紹介

植物の花の中の広大な分子ワールドの探索

野外では春の訪れと共に植物の花に昆虫が飛来する様子が見られます.「花」は植物-昆虫-微生物が集う生態系の大切なハブです.それと同時に植物の花は花畑,香り,食糧生産といった形で私たちの社会に溶け込み,人間生活において大切な役割を果たします.私は花の中の生体分子や生物有活性物質を探索して,花粉,雌しべ,共生微生物がお互いにどのようにして関わっているのかを明らかにする研究を行っています.植物の花粉と雌しべが自己と非自己あるいは自分とは異なる種を区別するしくみや,花と共生微生物とのせめぎ合いのしくみを明らかにすることを目指しています.「秘密の花園」を探索して,複雑な生態系を形作る基本生命原理を解明します.

教育内容

生態系を揺り動かす分子の探索:多様な視野をもつ人材育成

私たちは生態系を動かす鍵となっている生命現象の解明を目指しています.様々な生物が関わり合う生態系はとても複雑ですが,それをブラックボックスとして捉えていたままでは科学は進展せず,私たちが求める持続可能な地球環境への道も拓かれません.当研究室では,生命現象の鍵となっている高分子のタンパク質や低分子の有機化合物など,未知の物質を明らかにすることを目指します.生命現象のメカニズムは往々にして単純で,野球のホームランと空振りが紙一重なのに似て,綺麗に解読できたときはまるで抵抗がない分子モデルが得られます.私たちの研究室ではそのようにしてミクロの生命現象の次元でメカニズムを明らかにしつつも,それが生態系にとってどのような意義をもつのか?という多次元の視野を同時にもつ人材の育成を目指します.本質的な生命原理の研究を通じて,緻密な計画をもちつつも,グローバルな像を描くことができるリーダーを社会とアカデミアに送ることを目指しています.

共同研究や産学連携への展望

さらに自在な農業,バイオ生命制御のための物質の探索と追求

私たちはこれまで主に植物から様々な生物活性物質や生体分子を発見してきており,現在も新たな可能性をもつ物質の探索を行っています.例えば,自家不和合性や種間受精前障壁といった植物の生殖現象を制御する生体分子や化合物は農業育種現場において活用できると期待されます.また,これらの分子の中にはこれまでの概念にはない制御活性をもつものがあるため,新しいバイオテクノロジー関連技術の開発へと繋がると考えています.また,生命現象の鍵となる物質を探索しつつ,ケミカルバイオロジーのようなアプローチによって更に自在な生物活性制御を目指し研究を行っています.

研究概要ポスター(PDF)

キーワード

キーワード1  :  植物、生殖、花、生態系、生体分子、生物活性物質、受精前障壁、自家不和合性
キーワード2  :  生態系保全問題、食糧問題、気候変動