プロフィール

砂川 直輝

砂川 直輝

SUNAGAWA Naoki

専攻 生物材料科学専攻 Department of Biomaterial Sciences
研究室 森林化学研究室 Laboratory of Forest Chemistry
職名 講師 / Lecturer
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一般の方へ向けた研究紹介

酵素を通じた植物多糖構造の理解と、効率的な分解プロセスの実現に向けた研究

研究の背景
植物重量の50~80%を占めるセルロースやヘミセルロース等の多糖高分子は、酵素によって単糖まで分解する事で酵母など他の生物の餌とする事が出来、そこからバイオエタノールやバイオプラスチックなどの材料を生み出す事が出来ます。一方、植物は多糖高分子の構造や組成を複雑に組み合わせる事で自身が外敵に分解されない様に対策していますが、これら複雑な多糖構造に対しカビやキノコ等の外敵生物がどの様にして植物を分解しているかという点には、未解明の部分が多く残されています。
研究の内容
私の研究ではこのような植物が作り出す多糖がどの様な構造を作り出すか、植物にとって外敵となる生物がどの様に多糖を分解するのかを明らかにする事を目的とし、これらの現象に関連する酵素の機能解明や、酢酸菌などモデル生物を活用した構造解明を試みています。また酵素によって植物多糖を分解しバイオ材料などの生産に活用する為には酵素を安く、大量に作り出す必要がある為、私の研究では酵素を作り出す所にもフォーカスを置き研究を進めています。

教育内容

化学に基づく生命現象の利活用に向けて

教育内容活動
生物素材科学専修、および木質構造科学専修の学生実験(生物系)担当
人材育成の目標
生物を活用したバイオテクノロジー社会の実現に向けては、既に人類社会で活用されている化学に対する知識経験と、より複雑な構造集合体である生物に対する知識経験の両方を持ち合わせる必要があると考え、これの実現を目指しています。

共同研究や産学連携への展望

組換えタンパク質生産、酵素機能改変、タンパク質の生化学的解析

取り組んでいる社会問題
バイオリファイナリー技術の確立に向けた、酵素特性解析、酵素生産などに専門性を有します。
現時点での課題に対する成果物や進捗
これまでに高反応効率、高耐熱性を有する酵素の開発や、それらの低コスト生産技術の開発など実績があります。
また糖質関連に関わらない、環境汚染物質除去タンパク質の生産や除去活性評価を実施した経験もあります。
今後の進展に適用可能な技術や研究、展望
多糖分解酵素を含む糖質に作用する酵素の提案や、糖質関連酵素の生産・改変を実施可能です。酵素を含む組換えタンパク質生産については糖質関連に関わらず対応可能です。またタンパク質-化合物間のアフィニティー測定についても各種測定が可能ですので、ご相談ください。

研究概要ポスター(PDF)

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キーワード

キーワード1  :  酵素、セルロース、ヘミセルロース、多糖、糖質、酵母、ピキア、糖化
キーワード2  :  気候変動、バイオリファイナリー、バイオテクノロジー