プロフィール
一般の方へ向けた研究紹介
新しい酵素を探して、その「かたち」と生物中の「はたらき」を研究しています!
自然界は個性的な生物で溢れています。「なぜこの生物はこういった個性をもっているのか」「なぜこういった生命現象が起こり得るのか」という疑問の裏には、生物が持つ遺伝子や、遺伝子産物であるタンパク質、特に酵素の触媒が関わっています(酵素については酵素学研究室ウェブサイトの「研究内容」を要参照)。しかし多くの場合、1つの生命現象は1つの酵素によって成されるものではありません。鹿島は新規性のある酵素と、その酵素と共に働くタンパク質群に着目し、以下の研究課題に取り組んでいます。
①一つの酵素がどういった「はたらき」を有しているのか、どのような化学反応を触媒しているのか(酵素機能解析)
②一つの酵素がどのような「かたち」をしているのか、どのようにして化学反応を触媒しているのか(構造・分子機能解析)
③複数の酵素やタンパク質がどのような「かかわり」を持っているのか、どのようにして協調的に生命現象の発現に関与しているのか(酵素群解析)
これらの課題に向き合うことで、学術的な知見を蓄積しつつ、新しい生合成技術などを開発し、最終的に科学や社会への貢献を目指しています。
教育内容
「自立した思考能力」と、「伝える力」を育みながら、研究を楽しみましょう!
鹿島が在籍している酵素学研究室では、学生達も実験指導に協力的で、教員や先輩達と連携し、コミュニケーション能力を養いながら実験を進めることができます。
一方で、鹿島の研究は「新しい酵素」に着目しています。「新しいもの」を研究するということは、バックグラウンドが少なく、周りの人に聞いても分からないことも多いです。そのため、(教員の協力を得ながら)自力で広範な文献調査を行い、プレ実験を繰り返し、試行錯誤を繰り返しながら研究を進めることになります。自分で考えた研究を成功させ、その達成感を通じて柔軟かつ自立した思考能力を育めればと考えています。
また、「新しい酵素」の研究を進めるにあたり、研究室のゼミで(あるいは学術会議や投稿論文などで)、扱っている酵素の魅力を、バックグラウンドを持たない他者に伝えなければなりません。「どうすれば上手く伝えられるか」を深く考えることで、プレゼンテーション力とスピーチ力が育まれることを期待しています。
現代社会において、どの分野に進むにしても「自立性」と「表現・伝達力」は大きな強みになります。「自立した思考能力」と「伝える力」を活かして、国内外で活躍できる人材の輩出を目指しています。
共同研究や産学連携への展望
新規酵素の探索や構造解析・改変の技術を応用した研究ができます!
鹿島は「新しい酵素」を探索する過程で、タンパク質のアミノ酸配列を用いた配列解析の技術を培ってきました。この技術を活用して「こういう化合物を変換する酵素が欲しい」というニーズに応えることができます。
また、鹿島が在籍している酵素学研究室は構造生物学のノウハウを多く有しています。タンパク質の構造解析や構造に基づいた機能改変を行い、新たな分子もの作りに発展させることも可能です。
さらに鹿島は細菌、腸内環境、糖質代謝などに深い関心があり研究を進めてきおり、非常に豊富なバックグラウンドを持っています。これらの分野についてディスカッションも可能です。
これらのノウハウや技術を活用することで、産業的価値のある酵素の発見や応用に展開できると考えています。興味のある方は是非お声がけ下さい。
研究概要ポスター(PDF)
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キーワード
キーワード1 : 酵素学、構造生物学、糖質科学、微生物学
キーワード2 : 血液型変換酵素、病原菌細胞壁糖鎖分解酵素、カラメル含有オリゴ糖、腸内環境、腸内細菌、ビフィズス菌、乳酸菌、病原菌、健康増進