プロフィール
一般の方へ向けた研究紹介
持続可能な食料生産を、低環境負荷の屋内農場で実現する
現代社会においては、環境負荷を抑えながら人々の健康を支える食料生産が強く求められています。しかし、栄養価のある適切な食料の供給不足、さらには農業による資源の枯渇や温室効果ガスの排出といった課題は依然として深刻です。私たちは、これらの問題に対応するため、植物工場に焦点を当て、研究を進めています。
植物工場は「垂直農場(Vertical Farming)」とも呼ばれ、多段式の栽培棚を用いることで土地利用を最小限に抑えつつ作物生産を可能にします。さらに、人工的に環境を制御することにより、従来は栽培が困難であった地域や季節を問わない安定供給が実現でき、持続可能な農業への貢献が期待されています。また、水や養分を循環的に利用するシステムを導入することで、廃棄を最小限に抑え、環境負荷の軽減にもつながります。
このような背景を踏まえ、私たちの研究室では植物工場を活用して持続可能な食料生産の実現に取り組んでいます。
教育内容
食料と環境の課題を学び,持続可能な社会を支える
植物工場は、多段式の栽培棚を用いて土地利用を最小限に抑え、天候に左右されずに作物を安定的に生産できる仕組みであり、都市部や不利な環境下でも持続可能な農業を可能にすると期待されています。しかし、導入コストや品質の確保、極端な気候地域への適応、さらには環境制御を活かした新たな利用法など、解決すべき課題も数多く残されています。
本研究室では、過剰に高性能を追求するのではなく、シンプルな構造で十分な環境制御能力を持ち、環境負荷の少ない植物工場システムの開発に取り組んでいます。「コストの高さを高付加価値で補う」という方向性ではなく、合理的でシンプルな仕組みによって誰もが活用できる植物工場を目指しています。これにより、効率的で高品質な作物生産を実現し、持続可能な食料システムの構築に貢献することを目指しています。
研究活動を通じて、学生が食料問題と環境問題の密接な関係を理解し、国際的な課題解決に貢献できる人材として育つことを期待しています。また,スタートアップの立ち上げや新しい産業の創出など、研究が社会へひろがる環境づくりを大切にしています。
共同研究や産学連携への展望
植物工場、機能性成分、野菜、園芸作物
私たちの研究室では、植物工場や都市農業を対象に、作物の安定生産と持続可能な食料システムの構築を目指した研究を進めています。高性能化そのものを目的とするのではなく、現場で実際に活用できる低コストで持続可能な仕組みを重視し、効率的かつ高品質な作物生産を可能にする技術の確立に取り組んでいます。さらに、環境制御を軸として、栽培の効率化、廃棄物の削減、作物の栄養価や機能性成分の向上といった課題に焦点を当てています。また、東京都の「多様な担い手育成支援事業」に参画し、都市農業の担い手育成や地域と連携した活動にも取り組んでいます。そして、特定の分野に限定せず、持続可能な食料システムの構築を共通の目標とする多様なパートナーと協働し、新しい価値をともに生み出していくことを期待しています。
研究概要ポスター(PDF)
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キーワード
キーワード1 : 植物工場、機能性成分、野菜、園芸作物
キーワード2 : 気候変動、食料問題、都市農業、食料システム、環境負荷、環境調節