プロフィール
専攻 |
応用動物科学専攻
Department of Animal Resource Sciences
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研究室 |
獣医動物行動学研究室
Laboratory of Veterinary Ethology
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職名 |
准教授 / Associate Professor |
一般の方へ向けた研究紹介
ネズミ博士を目指しています
個々の動物が示す行動を研究することを通じて、その動物が自然の中で生活しているありさまを理解することを目指しています。その研究対象として、ラットと、その本来の姿であるドブネズミの両方を用いています。
ラットでは、フェロモンと呼ばれる匂いによって仲間に不安や安心を伝えるコミュニケーションの全容を理解しようと研究しています。これらのコミュニケーションのおかげで、ドブネズミは仲間と群れを作って生活できていると想像されます。またドブネズミに関しては、馴染みのないものを避ける行動である新奇性恐怖に着目して研究を行っています。この行動のおかげで、罠や殺鼠剤などの危険を避けることができると考えられます。さらに街中や牧場などにいるドブネズミの群れを対象として、実験を行ったり、行動観察をしたりもしています。
このような研究は、不安や安心といった情動や、仲間と群れをつくる性質である社会性を生み出す脳内メカニズムを解明することに繋がると期待されます。そして、ドブネズミたちの生活を理解していくことで、害獣であると同時に生態系の一部を担っている彼らと共生できる方法を探っていけたらと考えています。
教育内容
哺乳類を個体レベルで研究しています
個体レベルでの研究を通じて、動物の生態を理解することを目指しています。そのモデルの1つとして、ラットと、その野生型であるドブネズミの研究を行っています。
ラットでは、フェロモンと呼ばれる匂いによって仲間の不安を惹起したり、ストレスを緩和したりするコミュニケーションを研究しています。またドブネズミでは、馴染みのないものを避ける行動である新奇性恐怖の背景となる神経メカニズムを研究しています。さらに、街中や牧場にいるドブネズミの群れを対象として、行動実験を行ったり、その動態を観察したりもしています。これらの研究成果は、不安や安寧といった情動の神経メカニズムや、社会性を生み出す神経メカニズムの理解に繋がると期待されます。そしてドブネズミたちの生態を理解していくことで、害獣であると同時に生態系の一部を担っている彼らと共生できる方法を探っていけたらと考えています。
当研究室では、個々人のプライベートも尊重しながらも、上記の研究を世界標準レベルで行ってきています。ご興味をもたれた方は私や研究室のwebsiteを見ていただければと思います。またkiyokawa_yasushi [アット] yahoo.co.jpまで気軽にご連絡いただければと思います。
※[アット]を@に変換してください。
共同研究や産学連携への展望
動物の社会性とネズミのコントロール
中長期的なパートナーとなっていただける企業や法人との共同研究を望んでいます。
ラットでは、警報フェロモンによって仲間の不安を惹起したり、安寧フェロモンによって仲間のストレスを緩和したりするコミュニケーションを研究しています。また系統に基づいた内集団ひいきを生み出す神経メカニズムも研究しています。これらの研究成果をヒトに適用することにご興味を持つ方がいらっしゃいましたら、ご連絡いただければと思います。またドブネズミでは、馴染みのないものを避ける行動である新奇性恐怖の背景となる神経メカニズムを研究しています。さらに、街中や牧場にいるドブネズミの群れを対象として、行動実験を行ったり、その動態を観察したりもしています。これまで日本ペストコントロール協会や東京都ペストコントロール協会、大丸合成薬品株式会社との共同研究を行ってきているため、これらの法人、企業とも良好な関係を築ける方が望ましいと考えています。
研究概要ポスター(PDF)
関連リンク
キーワード
キーワード1 : 動物、ラット、ドブネズミ、フェロモン、社会性、神経科学、行動学、コミュニケーション、哺乳類、社会行動、新奇性恐怖、向社会行動、親和行動
キーワード2 : ペストコントロール、家畜伝染病