生物・環境工学専修

農林水産業は自然に能動的に働きかけて価値を付加する産業であり,そこでは様々なスケールや対象でのデザイン力が要請されます.生物・環境工学専修では、耕地や園芸ハウス、灌漑施設、農業機械といった農業生産に直結する機械・設備・施設やそれを取り巻く農村の環境を適切にデザイン、設計し、効果的に運用する工学的技術を支える様々な研究を行っています。講義は、土質力学、水理学、水文学、材料力学、熱力学などの基礎科目や、水利環境工学、農地環境工学、生物環境工学、生物機械工学、農村計画学などの応用的な科目を選択する事ができます。また、土木・機械分野での設計の基礎となる測量や製図を学ぶ実習・演習講義も設けられています。

国際開発農学専修

国際開発農学専修では、様々な角度から国際協カや開発援助のあり方を学生自身に摸索してもらいたい。多様な開発問題を埋解するには、学生のうちに実践的な体験を積むことが重要です。そのため、当専修では農学部の全実習を体験してもらいます。耕地、森林、水圏、畜産に関する実習と国際的な感覚の農業を知る海外実習です。おそらく農学に関する実習を全て体験できる大学はどこにもないでしょう。演習や卒論指導などを通じて、農学部の各分野の教員が従来の学問領域の枠を越え、専修プログラムをサポートしていることも当専修の特徴です。農学を総合的に把握したい学生、将来国際協力や農業開発の分野で貢献したい学生にお勧めです。

木質構造科学専修

木質構造科学専修では、木造建築や家具ほか木製品の設計・デザインについて学ぶことができます。例えば設計製図において木造建築の設計課題に取り組んだり、学生実験では自分でデザインした木製ベンチを自分で加工・組み立てを行います。その他の座学においてはこれら設計に必要な材料や構造などに関する基礎知識を習得します。本専修において指定された科目の単位を取得すれば、建築士の受験資格を得ることができます。

森林環境資源科学専修

多様で変化に富む地形と植生をフィールドとした人間活動を対象として、地域森林の環境と資源を適切に利用するために、手法と技術ならびにシステムをデザインすることが求められます。環境の利点を引き出すように設計することや環境を損なわないように持続的に利用することが必要です。森林を育成収穫し、持続的に利用するための地域森林施業の計画と管理や、森林を背景としてまた散策遊楽環境として利用する際の施設や庭園のデザイン、利用基盤としての森林内の道路の配置や規格の設計、地域森林環境に成立する社会を活動させる雇用の場として森林を生かす仕組みのデザインなどを、講義、実習、演習で行っています。

緑地環境学専修

持続可能で魅力的な緑地空間=ランドスケープを形成するためには、みどりの機能に関する生態学的な理解とともに、研究成果を実社会へ還元・展開するためのランドスケープのプランニングとデザインの能力が求められます。そのため緑地環境学専修では、緑地デザイン実習やランドスケープエコロジー実習を通じて、緑地空間の調査と問題発見、計画・設計の基礎的理論とプロセス、およびプレゼンテーションの技術を学びます。とくに、「デザイン」が個人のセンスや感覚に留まるものではなく、論理性や客観性を備えた「技術」であることを理解し、エンドユーザに「わかりやすく」「説得力」のある解答を提供する方法論の習得を目指します。

研究紹介 - 広報誌「弥生」から -

太陽光を作って自在に操る( 関連専修:生物・環境工学専修 )

弥生46号

生物・環境工学専攻 富士原 和宏 教授
クリスマス用の電飾や信号機などにも利用され、私たちの生活にすっかり浸透してきた発光ダイオード(LED)は、 生物に及ぼす光の影響を調べる研究(光生物学研究)でも利用されています。その光生物学研究用として、新しいユニークなLED光源システムの開発が進められています。 続きはこちら

「弥生」46号(執筆時は准教授)

木で木を接着する( 関連専修:国際開発農学専修 )

弥生44号

農学国際専攻 佐藤 雅俊 教授
木材の接着には石油化学由来の合成樹脂系接着剤が多用されています。しかし、その多くがシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドを放出するため、このような接着剤を使用せず木材の主要成分を利用した人間・環境に優しい新たな接着剤や接着技術が注目されています。 続きはこちら

「弥生」44号(執筆時は助教授)